
アメリカの超大手ウォルマートがスマホアプリ「Walmart – Shopping and Saving」に斬新なAR機能を更新リリースしました。こちらのアプリはAR技術を使ったおもしろサービスを展開しています。今回はこちらのアプリからARの可能性を深掘りしていきます。

目次
ウォルマートのスマホアプリにAR機能をつけたねらい
ウォルマートのシニアエンジニアリングマネージャーである「ティム・シアーズ」さんのこちらの記事がソースとなります。
どんなアプリなのか
今回更新したAR機能には以下のような機能があるそうです。
- 読み込んだバーコードの商品説明がスマホに表示される
- 読み込んだ位置情報を覚えておいて、商品の比較ができる
つまり読み込んだバーコードの位置を画面上に表示させることによってAR機能をつかってるんですね。こちらの画像を見ればわかりやすいです。


AR機能についてははiOSのARKitを活用しているようで、現状ではまだiOS向のみとなっています。まぁ日本では使えなのであまり意味ないかもですが、参考程度にこのAR機能の動作条件を記載しておきます。
- iPhone 6以降
- iOS11.3以降(ARKit1.5)
- Walmart iOSアプリバージョン18.20以降
これからAR機能を活用したアプリが多く出てくると予想していますが、iPhone5s以前の方は要注意です!ちなみに僕は6からXSに変えて劇的にQOLが上がったので最新機種はやっぱりおすすめですよ。
このアプリを作った理由とは
もともとはアプリ内で、バーコードスキャナーを価格チェッカーとして利用されていました。
そこでティムさんのエンジニアチームではAR技術がどう活用できるか社内ハッカソンなどでアイデアを出し合っていたそうです。そこで、今までに成功しなかったこれら3つの顧客問題を解決できるのではと考えに至ったそうです。
- スキャン体験は、製品の読み込みを高速化するだけでなく、ユーザーの速度体感も高めることができる。
- 単なる価格だけでなく様々な製品情報を比較することを容易にした場合、利便性が高まる。
- スキャンをもっと楽しくすると、顧客の利用頻度が向上する。
これらの根底にあるのは「ユーザー体験(UX)」です。
新しい技術がどのようにユーザー体験を向上させるかを検討しています。これらは僕のような開発者としてはとても参考になります。
どのような応用が考えられるか
さて、それではウォルマートのこのアプリのようにAR技術を使用して、スーパーでのユーザー体験を向上させるにはどのような機能が求められるでしょうか。せっかくなので、少し考察したいと思います。
そもそもこれって使いやすい?
こちらの仕様で製品の比較を使用とした場合に、中央に写された製品しか情報が表示されません。
これだと比較しにくくありませんか?
一度読み込んだ商品は『その場で情報がテレビのように表示される』もしくは、『スマホの下部などに表示され続けている』ほうが使いやすいと思います。(後者ですとARの意味がありませんが。。)
そして、ユーザー体験を向上するという点では「わざわざバーコードを読み込む」のは相当めんどくさいです。理想は、スマホをかざせばその製品の情報が自動的に表示される仕様です。
これには、詳細な位置情報を取得しなければ困難です。みなさんご存知のGPSを使えればよいのですが、残念ながら屋内ではGPS精度は著しく落ちます。(これは仕組み上しかたないです)
そこで、店内にBeaconを配置すれば正確な位置が把握できる可能性があります。BeaconとはBluetooth技術を活用したセンサで、一番有名なものとしてiPhoneで採用されている「iBeacon」があります。
これを活用すれば、スマホと通信することにより店内での詳細な位置情報を取得することができます。もちろんスーパーのような棚に商品がたくさんある場合は解決するべき壁が多くありますが、将来的には採用されると思っています。ちなみに、無人スーパーで話題となったAmazonGOはこの技術も採用されていると予想されています。
僕が欲しい機能
それでは、上記の技術の壁などを抜きとして僕があったらいいなと思うAR機能を挙げてみます。
- 店全体をかざすと詳細なカテゴリが表示される
- 欲しい商品をスマホで検索して、その商品がある棚までナビゲーション表示
- 同行者が今どこにいるか表示&ナビゲーション表示
- 服など衣類をARだけで試着できる
僕がスーパーなどでいつも不便だなぁ感じていることは大体これがあれば解決します。
方向音痴なのが悪いのか、どこになるがあるか全くわからずにグルグル店内を回っていることが多いです。あとは、妻や子供と別々に買い物をしてる時にどこにいるのかわからずに会うまで時間がかかることもよくありますね。
ある場所へのARナビゲーションは屋内での利用価値は高いと思っています。これには正確な位置情報が必要なので、やっぱりBeaconのような仕組みは必須かなぁと考えています。
あとはありきたりですが、ARで服の試着は出来たらうれしいかな。わざわざ着るのすごく時間かかりますしね。自分がモデリングされたCGにそのまま着させるってのもありですね。

まとめ
いかがだったでしょうか。
普段行っているスーパーでもARの活用で、便利になることは実は考えてみるとたくさんあります。ウォルマートのように日本の小売業界でもどんどんこのような試みをしてほしいです。
スーパーマーケット界のZOZOとなる日本企業はでてくるか!?注目です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ARについて調べるの最近楽しい。。