経済格差をなくす画期的サービス!佐藤航陽さんの仮想地球を創るプロジェクト「EXA」をわかりやすく解説 – ブロックチェーン – トークンエコノミー

こんにちは。ITブロガーのマサタカです。

今回はEXAというブロックチェーンを活用したとんでもないプロジェクトをご紹介いたします。

佐藤航陽(さとう かつあき)さんという人物

まず、佐藤航陽さんがどうゆう人物像なのかを簡単にご紹介したいと思います。

人物像

Wikipediaより引用
1986年、福島県生まれ。15歳から、自己流の商売を始め、生活費などを稼ぐように。早稲田大学法学部中退。2007年、イーファクター株式会社(現メタップス)を設立。2015年 東証マザーズに上場、創業者として145億円相当の資産を得たとされる。

佐藤さんが社長であるメタップスの主なサービスは以下となります。

メタップス主なサービス

・無料決済プラットフォーム「SPIKE」(※現在はメタップスペイメント)
・時間を売買できるアプリ「Timebank」

主に金融系のサービスを展開していて、日本発のインターネット上で簡易にクレジットカード決算ができるSPIKEを提供したり、いち早く仮想通貨を用いて個人の時間売買するアプリTimebankを世に出しています。まぁ一言で表してしまうと、天才タイプですね。幻冬舎の箕輪孝介さんも「落合陽一並みの変態」と評していましたが、30歳代を代表する天才日本起業家となります。

佐藤さんについて著書などを読むと分かりますが、この方のルーツは生まれた家庭環境が貧かったこのによる理不尽にあります。なので、根底にある想いとしては「経済的な環境によって不利になる人間がいない世界を作りたい」というのがある方です。

著書について

佐藤航陽さんはの書籍は2冊ほど読んでおりますが、どちらも後世に残る名書と言っても良いほどの内容となっています。まだ読んでない方はこれを機に是非読んでみてください。

 

 

EXAという壮大なプロジェクトについて

それでは、そんな佐藤さんが立ち上げたEXAがどんなプロジェクトなのか、壮大過ぎて少し想像しにくい部分もあると思いますので、少しずつ噛み砕いながらご紹介していきます。

 EXAでやりたいこと

何がやりたいのか?

世界の経済的な格差の是正して富の分散をしたい。生まれた場所や環境によって、お金に困ることでいろんなことを諦めなければいけない理不尽を世界から無くしたいという佐藤さんの思想そのものですね。

どうやるのか?

仮想空間にもう一つの「地球」を作って、そちらの地球では「現実の地球で経済的に貧しい人が富を得やすい世界」にすることによって実現する。

どうやって現実の地球の経済状況を判断するのか?

衛星から取得できる夜間光データを解析することで、地球の場所によっての経済状況を把握しています。例えば、日本だけで見ると、東京は眠らない街と言われていますので、夜でもネオンなどの光でとても明るい状態です。しかし地方では逆に暗い状態です。

当然、一概には言えませんがこれを経済状況の差を捉えて、東京では経済的に豊か、地方では経済的に貧しいと判断します。世界規模では、先進国は明るく、アフリカのような後進国は暗いのでここに経済差があるという解釈です。

どうやって経済的格差をなくすのか?

アプリを介して「トークン」といういわゆる仮想通貨を配布することでユーザーに報酬を与えます。ユーザーは誰でもトークンを入手できます。入手方法は仮想通貨での「マイニング」となります。しかしこのサービスでのマイニングは他の仮想通貨とは大きく異なります。このマイニングの方法がこのサービスのキモとなります。

EXAトークンマイニングの方法
・アプリをインストールしていれば誰でもマイニングできる
・マイニングできる人はランダムでくじ引き当選した人
・経済的に貧しい場所にいるほど当選確率が高くなる 

つまり、豊かな地域の人は当選確率は低くなり、貧しい地域の人ほど当選確率を高くすることにより、仮想地球では貧しい地域にいる人ほど豊かになるということです。

着目したテクノロジー

ブロックチェーン

言うまでもなく、このサービスの根底となっているテクノロジーはブロックチェーンとなります。経済的なユーザのインセンティブとなるトークンという名称で表現しておりますが、巷でいう「仮想通貨」となります。ですので管理方法は非中央集権型となり誰かが管理しているわけではありません。

これが非常に大事で、このサービスはブロックチェーン技術なしでは成立しません。以下は公式ページにある図ですが「現実世界」と「ブロックチェーン上での仮想世界」が非常にわかりやすく対比しています。

大切なのは、誰かが管理するわけでなくトラストレス(信頼する必要がない)でルールに基づいた管理ができることです。これは今までは理想に過ぎませんでした。ですが、ブロックチェーン技術は見事にこれを可能にした稀代のテクノロジーとなります。

衛星データと位置情報

人工衛星からのデータはオゾン層、火山、海洋汚染の観測など様々な分野に既に活用されております。ですが本プロジェクトのように夜間光データを用いて「経済格差の物差し」として活用するのは初めてなのではないでしょうか。宇宙ビジネスをやろうとしてこの発想は天才としか言いようがないですね。。

そして衛星データと位置情報を組みあわえて「経済的に豊かな場所」と「経済的に貧しい場所」を紐づけて保持します。これのすごいところは各国政府の統計情報よりも速く正確に地球の経済変化を把握できるところです。そして個人ではもちろんある悪意のあるグループがいたとしても衛星から見た光を変化させることは不可能です。このように不正をさせないインセンティブもしっかり設計されています。

EXAの主な仕組み


EXAでできることは実はとてもシンプルです。
トークンを掘る」「トークンを埋める」基本的にはこの2つのみとなります。

「トークンを掘る」は前述している通り、マイニングによる報酬のことでこれは特に何もすることなくサービスに参加をしていれば誰でも当選する可能性があります。場所によって当選確率が変わりますが、GPS情報を送信できるスマホがあれば誰でも参加できるのはとても簡単で敷居も低いです。

それでは「トークンを埋める」とはどうゆうことでしょうか?これは、ユーザーはどの場所にでも保持しているトークンを寄付できるということです。例えば、自分の故郷である青森市を復興させたいと考えているユーザーがいれば、青森市の位置情報に対して自分のトークンを埋めます。すると、その位置情報に対しての報酬が増えることとなります。これをユーザーに可視化することによって、「青森市の報酬が上がってる!」と多くの人が青森市に足を運ぶこととなります。

さて、ここまでで聡明な読者様ならもうお気づきでしょう。そうです。もう一つの仮想地球を作ろうというこのサービスですが、実は現実地球に与える効果はかなり大きいのです。報酬が大きくなる地域に人が集まるということは「そこまでの移動コスト」「その場所での滞在コスト」がそのまま経済効果として現実地球で反映されます。

よって、このサービスではこの2つの仕組みによって世界の経済格差を埋めようとしています。

経済格差を埋める2つの仕組み
・貧しい地域にいる人が多くのトークンの報酬として受け取れる
・トークンを得ようとして貧しい地域に訪問する人が現実世界でお金を落としてくれる

下記ツイートで細かい仕組みについて佐藤さん自らインタビューに答えている記事がありますので、ご参考にどうぞ。

EXAについて僕の考察


最後に僕が考えるEXAのすごいところと期待したいことを少しだけ。

ここがすごい

世の中の格差をテクノロジーでなくす唯一の方法

世の中の格差をなくしたいと考えた時に、あなたならどうしますか?「徳政令のようにみんなが持っている財産を平たくする制度を作る」「お金の持っている老人から若者に渡るような制度を作る」といったような意見が多くなるのではないでしょうか?凡人の僕ならこのくらいしか思いつきません。

でもこんな制度が作られるでしょうか?現実世界では既得権益を守られるような政治が当たり前に横行されています。あなたもお分かりのように、このような制度が成立するはずがありません。これは仕方がないことだと思います。

僕は初めてEXAの構想を知った時は本当に興奮しました。佐藤さんはかなり昔からブロックチェーンの可能性について模索していたそうですがこの仕組みは本当にすごいです。これを思いついたのが同世代の同じ日本人だというのですから、誇らしい限りです。

「寄付」の課題を全て解決する

寄付はブロックチェーンを活用すれば今抱える「不透明さ」を解決できるのでは?と以前から言われていますが、実際のプロダクトがなかなか出てきませんでした。これは実際に受け取るウォレットが本当に寄付したい先なのか、寄付する過程がわかりにくいといった問題があったからだと思います。

これをEXAでは華麗に解決しています。寄付したい先にトークンを埋めることによりその地域の人々に経済的な潤いをもたらすことができます。もちろんそれを狙って外から来たユーザーも滞在コストがかかりますので、結果的にその地域に潤いをもたらします。また外から来たユーザーにとっても多くトークンが得られるのでその地域への旅費が浮くことになります。みんなハッピーになる仕組み。これほんとスマートですごい!

位置情報の正しさを証明する方法

このサービスのキモである「位置情報」はチート行為が可能となります。これをされてしまうとサービスの破綻に繋がります。これを解決する方法として佐藤さんは2つの対策案を挙げています「スマホ同時のBluetooth通信で互いに承認し合う」「承認者が正しいか覆面パトロールを配置

これはNEMのマルチシグに近いですが、不特定多数の承認を得ないと正しい位置情報として扱わないようにするということですね。当然、その承認者も不正をする可能性がありますので覆面パトロールのような仕組みを配置させ、不正をすることのメリットよりデメリットを大きくする仕組みです。これはすごい解決方法だと思います!

期待したいこと

メタップスの決済サービスとの連携

メタップスペイメントもそうですが、pring(プリン)のようなQR決算サービスも展開しているメタップスですので、これは当然期待してしまいます。

EXAで報酬を受けたトークンをそのまま現実世界で使用できる法定通貨に簡単に変換して支払いに使えるようになると嬉しい。いざとなったらEXAのトークンだけで生活できる!ってことになるのが理想です。

位置情報の証明データ公開

もし位置情報を確実に証明できるような仕組みができた場合、これはとても貴重なデータとなります。もしこれを容易に使用できるようなAPIを公開してもらえれば最高です。

ポケモンGOのようなゲームでチート行為している人が多く見られますが、これが不可能になるのはとても有意義。ここで不正ができないという保証ができれば、様々なサービスが展開されると思います。

VRへの参入

仮想地球を作りたいとおっしゃているので、もしかするとこちらも視野に入れているかもしれませんが、やはりVRにも踏み込んで欲しい。

VR世界ではもちろん得たトークンをそのまま使って様々なことができる。そう、まさにレディ・プレイヤー1のような世界ですね。佐藤さんならここまで実現してくれるはず!



まとめ


いかがでしたか?EXAについてご理解いただけましたでしょうか?

今回こちらを題材にさせていただきたのは、ちょっとこのプロジェクト新しすぎて理解してくれないかも?と感じたからです。

僕は速攻でぞっこんになってしまいましたが(笑)実はこのサービスが上手くいくかどうかはいかにみんながこのサービスを使ってくれてEXAトークンを重宝してくれるかにかかっています。

これは他の仮想通貨と同様で、トークン自体が流用性が高まり価値が上がっていかない限りそのトークンで現実の法定通貨のような価値を持つことは難しいのです。なので、僕は少しでも多くの人にこの素晴らしいサービスのことを知って欲しかったので少しでもわかりやすい形でまとめさせていただきました。

佐藤さん曰く2018年内にはサービス一般公開をしたいとおっしゃっているので、もしこの記事をお読みいただいて興味が湧いた方は、公開後にまず使っていただけたらとても嬉しいです!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。