【信用スコア】アリババ 芝麻信用(セサミクレジット・ジーマクレジット)のメリットと、日本で普及するのに必要なこと

こんにちは。ITブロガーのマサタカです。
中国のアリババが展開する信用スコアサービスが有能すぎ!

てことで、今回は芝麻信用(セサミクレジット・ジーマクレジット)を取り上げようと思います。このサービスはマジで日本にも普及してほしい!ので、是非より多くの人に魅力が伝わっていただけたら嬉しいです!

今回は「芝麻信用の特徴」と「信用スコアが日本で普及するには」の2つのテーマから解説してまいります。



芝麻信用(セサミクレジット・ジーマクレジット)のすばらしさ

どんなサービスなのか

芝麻信用(セサミクレジット)は中国の巨大企業アリババが展開してるサービスとなります。
このサービスを一言で表すと、「その人の信用を数値化する」ということをやっています。

ちなみに、芝麻信用は様々な読まれ方をします。

読み方
・セサミクレジット
・ジーマクレジット
・ゴマ信用(日本では芝麻をゴマと読む)

そして、どうやって数値化をしているのか?なのですが主にこれらが利用されています。

数値化のためのソース

・買い物の行動履歴
・学歴や職歴
・家や車の資産保有状況
・SNSでの評判
・サービス利用時のレビュー結果

※詳細についてはこの後に解説があります。

これらのデータからアリババが独自のアルゴリズム350~950点で計算されます。
そしてこの点数からこれらのステータスに分類されます。

👉スコアによるステータスランク

「信用極好(極めて良好)」:700~950
「信用優秀(とても良好)」:650~699
「信用良好(良好)」   :600~649
「信用中等(普通)」   :550~599
「信用較差(やや劣る)」 :350~549

多くの人は600点前後とのことです。それでも599点と650点では2ランク変わってくるので、多くの人はより高い点数をもらえるような行動をとることになります。

なんだかゲームのランク付けをされているようですね。しかし、これは誰にでもわかりやすい優れた仕組みだと思います。

どんなメリットがあるのか

それではこのサービスを使うとなにがメリットなのでしょうか。
実はこれには「消費者」側と「お店」側の2種類の見方があります。それぞれの視点からみた具体的なメリットをまとめます。

★ 支払う立場の消費者のメリット

消費者からみたメリット
  • デポジットなどの保証金が不要になる
  • ビザ申請手続きが不要になる
  • 無担保ローンなどを利用できる
  • 就職活動に活用できる
  • 結婚サービスに活用できる
  • 政府系機関や民間企業で有利に
ポイント①今まではごく一部の悪質ユーザーのために全員が負担していたリスクがなくなる。
②信用を示す時間やお金が極めて少なくなる。
③あらゆる場面で同じ信用スコアが使える。

★ 支払いをされるお店側のメリット

お店からみたメリット
  • 優良会員のみ相手に商売ができる
  • 信用スコアの存在がユーザーの悪質な行為を抑制できる
  • スコアを上げたいユーザーが積極的に買ってくれる
ポイント①今までは難しかったユーザー層絞込みが低コストでできる。
②売買の流動性を高めてくれる。

こうしてみるとほとんどの人にメリットだらけのサービスになります。

気になるその算出方法とは

気になるのは、じゃあどうやってスコアは算出しているの?ということです。

算出方法はアリババが仕様を公開していないのですが、中国人が必死にスコアを上げようと試行錯誤していますので大枠はわかってきています。ただしアリババのもつ独自アルゴリズムは完全にブラックボックスなので100%攻略できる方法はない状況です。

アリババでの購買記録やアリペイでの支払い記録

アリババは中国のAmazonのような企業で、中国全土で使われているECサイトを運用しています。また、国内のほとんどのお店で使用できるQRコード決算であるアリペイも展開していることから、電子決算の履歴からこれらを把握できます。

👉購買記録

  • どれだけモノを買ってお金を使っているか
  • どんなモノを買っているか
  • 決済に遅延などが生じていないか

これはアリババがこのサービスをやれる一番の理由と言っていいでしょう。

携帯電話契約時の個人情報

中国では携帯電話を契約する際に細かい個人情報の登録が必要となります。よって、ここで取得できるこれらなどがスコアに使われています。

👉個人情報

  • 年齢
  • 学歴
  • 職歴

年齢はもちろん今までの過去は変えられないため、ここの情報が反映されるとなかなか取り返せない人も出てくる懸念もあります。ですがやはりその人の信用には大きく関わる情報なのは間違いありません。

アリババ提携先の資産情報

アリババは銀行などの金融機関とも提携を広げています。なので、そこから取得できる各資産のローン状況や保有状況が使われています。

👉資産情報

  • アリペイ経由での車や家のローンサービス
  • 所有する株式

これはそのまま金を持っている人は信用できるということです。これは異論はありませんよね。

Weiboなどのアリババ系SNS

アリババは中国で普及している大手SNSとも連携しています。ここからこれらのような情報が取得できます。

👉SNS情報

  • フォロワーの数
  • 繋がっているアカウントの質
  • SNS内での発言や行動 

人脈も信用に反映されます。単純にフォロワーの数だけでなく、フォロワーアカウントの質やSNS内での行動履歴も影響されるので、不正防止の設計もしっかりされているのがよくできている印象です。

その他の要素

上記以外にも様々なサービスでの行動が反映されます。アリババのアカウントで使用するサービスは全てこれらに利用することができます。
例えばこんなものがあります。

👉連携する様々なサービス

  • シェアリングサービスで自転車を借りた時の使用履歴
  • Uberなどのカーシェアサービスを利用した時のレビュー内容
  • インターネットゲームでの発言や行動

こういった普段の生活態度も反映されます。確かにこの仕組みであれば、サービスを提供する側も安心ですよね。

日本でも普及するために必要なこと

この素晴らしいサービスを日本でも導入できないか、僕の考える重要事項を3つほど挙げます。

 ① 全国民共通で普及しているデジタル経済圏

まずは最も重要な条件として、アリババのように日本全土でデジタル経済圏を持つサービスが不可欠となります。

候補としてはこれらの企業が有力とみられています。

「楽天」

今のアリババに一番近いのは楽天ではないでしょうか。そもそも日本シェアNo.1クレジットカードの楽天カードで使用されている楽天ポイントは既に多くの人に使われています。ここで楽天ペイがもし普及したとなったら大きく有利となるでしょう。

「ソフトバンク」

アリババの大株主であるソフトバンクも当然候補に挙がります。その他にもUberに巨額投資をしたり、駐車場シェアリングサービスとも提携したりと、数多くのシェアリングサービスと連携ができる見込みがあります。

「LINE」

最近ノリにのっている圧倒的なアクティブユーザーを抱えるSNSプラットフォームを持つLINEも有力候補でしょう。またQRコード決算のLINE Payも本格普及への動きを見せていて、向う3年間の手数料無料を謳いガチでシェアを奪おうとしています。他社からみたら、かなり怖い存在だと言えます。

「メルカリ」

元祖二次流通シェアリングエコノミーサービスで一気に大量のユーザーを獲得したメルカリも注目です。2次流通市場はさらに広がると見られていて、ここの市場で揺るぎない位置につけています。またメルカリでの売買によって多くのあぶく銭ポイントを発生させているのも流通性が高くなる要因になっています。

「メタップス」

QR決算サービスのpring(プリン)で普及を狙っているメタップスも僕はあると思っています。一番の期待は社長の佐藤航陽さんの存在でしょう。この方は経済やテクノロジーにとても長けていて、人の影響力を可視化したタイムバンクというサービスや、ご自身ではEXA(エクサ)というブロックチェーンを活用したサービスを展開しています。

経済格差をなくす画期的サービス!佐藤航陽さんの仮想地球を創るプロジェクト「EXA」をわかりやすく解説 - ブロックチェーン - トークンエコノミー

2018.08.25

② ほとんどの人が得をするという事実

プラットフォームが普及したとしても、日本人ユーザーが使ってくれなくては全く意味がありません

このサービスの特徴としては大きく個人情報やプライバシーに関わるデータが使われます。今までの流れからこれらは日本人には嫌われる可能性が高いです

なので大事なのは、「このサービスを使うことは自分に大きなメリットがあるから使うのだ」というマインドセットをみんなで持つことが大事になります。自分の言動を評価されてスコアリングされることに抵抗感を持つかもしれませんが、99%の人にとってはメリットの方が大きいのです

理由を簡単に説明すると、僕たちが何かサービスを使う際には必ず不正に対するリスク分が料金にのっかってきます。普段みなさんは意識をしていないと思いますが、一部の不正するユーザーの負担をユーザー全体で補っているんです。

そこで信頼スコアを活用することにより優良ユーザーのみに絞って商売ができるのでこのリスク分を料金から下げられるという原理です。

③ ゲーミフィケーション

日本人はとにかくゲームが大好きです。日本のスマホ市場はゲームで支えられていると言っても過言でないほどみんながやっています。この日本人の特性からゲーミフィケーション(※ゲームのような仕組みを活用すること)は日本にサービス普及させる場合に非常に大きな効果を発揮すると考えられます。

まるでゲーム
  • QRコード決算で被災地に募金をした。 ⇒レベルアップ!
  • メルカリで丁寧な対応をしたらいい評価がもらえた。 ⇒レベルアップ!
  • Facebookにブログを紹介したら、フォロワーがたくさん増えた。 ⇒レベルアップ!
  • 街で借りたレンタルバイクの返却が遅れてしまった ⇒レベルダウン↓
  • 飲み過ぎてTwitterで暴言を吐いてしまった ⇒レベルダウン↓

このように自分の行動そのものがスコアに直結することにより、自分が主人公のRPGゲームをしているような感覚になれると思います。また副産物的にですが、世間全般が自然と道徳的な行動をするインセンティブとなる仕組みが大変素晴らしいです。

これ色々と考えてみると、「スコアによってアバターの見た目を変化させたり」、「逆にスコアとその他ゲームと連動させて特別な報酬がもらえたり」と、いろんな戦略が考えられる思います。

どうせなら使っていて楽しいサービスをみなさんは好みますよね?是非この辺りを厚く取り入れてほしいです。



まとめ

いかがでしたでしょうか?広範囲で使用できる信用スコアサービスって素晴らしさがご理解いただけたでしょうか。

私はこのサービスは少なからずいつかは日本でも普及に至ると考えています。しかし、それがいつになるかは「今の電子決算市場が全国で普及されるかどうか」や「国民が信用スコアを利用することに抵抗がないか」が重要になってきます。

みなさんがメリットを十分に理解して、積極的に利用してくれることがスピーディーに普及が進むカギになります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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