
2018年10/6~7にて、東京で行われた「Scaling Bitcoin workshop」にて、ブロックチェーンスタートアップ「Blockstream」の共同設立者より『ビットコインが抱えるスケーラビティ問題について、ハードフォークを行わずブロックを拡大する方法」について提案されました。
これを「Forward Blocks」と呼称されているそうですが、今回はこちらについて調べた結果をまとめます。
目次
ビットコインの救世主?「Forward Blocks」について

どんな内容
Forward Blocksという題材で提案された内容は、「主要なオンチェーンのキャパシティをソフトフォークによるPoWの変更により処理能力向上させることでブロックサイズを拡大させる」というものになります。
ハードフォークではなくソフトフォークで対応できるところがミソです。
期待される効果
「シャーディング」と呼ばれる技術を用いることにより、トランザクションの処理容量が現在の3584倍にまで向上し、「センサーシップ・レジスタンス」も改善される可能性がある。
主要仮想通貨イーサリアムでは、スケーラビティ問題に対する解決策の一つとしてSharding(シャーディング)を利用しています。シャーディングは単一のデータベースを複数に分割し、検証作業を並列化することで、処理能力の大幅向上を図っています。
シャーディングについては以下のサイトが参考になります。
ビットコインの「検閲耐性」の度合いを指します。ブロックチェーン技術により過去のデータを改ざんすることが非常に難しく、また、チェーン情報は全てのノードに公開されているので隠ぺいもできません。今回はこの度合いも高まる変更とされています。
過去にもあった容量拡大対策
既に導入されたSegWit(後述します)以外にも以前にもビットコインでは(ビットコイン・キャッシュとは別に)ブロックサイズの容量拡大(SegWit2x)の検討はされてました。しかし、これはハードフォークが必要であり、特殊なリスクが大きかったこともあり反対派と対峙した結果、実行されていません。
ブロックの容量を1MBから2MBへと拡張させるのが目的です。ビットコイン・キャッシュ(BCH)では新しいルールを適用したブロックチェーンを作成したのに対し、既存のビットコインを変更後のコインに集約します。これはハードフォークが必要な変更となります。
導入されるべきか
様々な立場からの発言
✅ 今回提案をしたFriedenbach氏の発言
「Forward Blocks」にとって今までの議論は無意味です。もしソフトフォークで解決しようと決めたのなら、ビットコインのスケール拡大にハードフォークは必要ではありません。SegWitのようにソフトフォークでも達成可能なはずです。
ソフトフォークにて「スケーラビリティ問題」、「トランザクション展性」を解決する技術。ビットコインの他にライトコインやモナコインも対応しています。
✅ この提案に対してBlockstreamのCEO、Adam Back氏の発言
“実用化されるかは別として、新たな仕組みを発見することは有益です。極めてシンプルながらも興味深い”
✅ ビットコインコア開発者Karl-Johan Alm氏の発言
“現状として実用化するかは不明瞭なものの「技術的突破口だ。」”
結局は??
とりあえず誰も実際にはどうするべき、というような発言ではないのでどっちつかずです!
ただKarl-Johan Alm氏の発言どおり、こちらの対応をするかしないかは別として、技術的に解決策を見出したことに意味があると思う。僕も今回のこの技法が採用されるかはわからないけど、どんな問題でも技術的な解決方法はあるので、近い将来ビットコインのスケーラビリティ問題は解決すると考えています。
ビットコインのスケーラビリティ問題はブロックチェーン普及の大きく関わる問題ですので、「Forward Blocks」はこれからも動向を追いかけようと思います。
ビットコインのスケーラビリティ問題について速報です。