【岩田さん 書籍】任天堂の岩田聡さんの名言をまとめる【ほぼ日刊さんありがとう】

岩田さんまとめ
こんにちは。マサタカです。

僕は子供の頃から、任天堂とともに生きてきた。ファミコンは親に何度も捨てられるほどやったし、小学校での友達との遊びはほぼスーパーファミコン、周りはプレステを買う中で僕はもちろんニンテンドー64、DSやWiiもSwitch発売して即買ってきた。

僕は任天堂に影響されてエンジニアになった。そんな僕が宮本茂や桜井政博(任天堂じゃないけど)といった人たちが好きなのは当たり前ですが、その中でも最も大好きだったのが岩田聡です

そんな岩田さんが2015年に突然亡くなった時のショックは僕的にはかなり大きかったです。他人が亡くなってあんなに落ち込んだのは初めてですしこれから先もないでしょう。

 

そんな岩田さんの本を「岩田さん」という形でほぼ日刊さんから出版されました。

 

いやー、いい本だ。すごく岩田さんへの愛も感じるし、僕たちの実践に使える知識にもなる。そこで自分への学びを記録する意味で忘れたくないことを書き留める。

大きく分けて「リーダー論」と「クリエイター論」の2つに分けます。



岩田聡の名言「リーダー論」編

判断とは、情報を集めて分析して優先度をつけることだ

よくあるリーダー勘違いの1つとして、これだ!と決定することを判断としていると思う。
そうではなく、本当はすべての情報を把握して論理的に優先順位をつけれることを判断というんですよね。つまり、全部わかった上でちゃんと理由を説明できないとダメ。

 

人は逆さにして振らないと、こんなにも物を言えないのか

岩田さんは社長として社員全員を個人面接していた時に気づいたことだそう。人というのは、ちゃんとした環境を用意して、しかるべき手順を踏んで、かつこちらが信用されないと本当のことはいってくれない。人を管理することの難しさがよくわかる一言。

 

面接でははじめに答えやすい自分のことを話させる。

岩田さんの面接術の1つ。いきなり答えにくい質問は絶対にせずに誰でも答えられる自分のことについて質問するそうです。その理由はその方がリラックスできて本当の実力が見やすいから。そうとはせずにあえてリラックスさせないやり方は嫌いなんだそうです。

 

人は全員違う。そしてどんどん変わる

こちらも人の本質を突く一言。組織をまとめる人間がこれを当たり前のように頭に入れておく必要があると思う。そして自分もどんどん変わるべきだと僕は思う。

 

「そのときにどんな課題があるのかを見つけて分析して解決する力」が一番あるやつがその場を仕切る適任者

岩田さんは感情より論理を優先できる人です。なので、「やりたくない」と思えることでもこれは自分がやる方が組織として一番いい、と思えたら迷いなくやれるタイプです。
これはチームの中のマインドでとっても大事だと思う。もちろん、解決する力のある人をしっかりと見分ける必要がありますが。

 

「最低限のこと」を、なるべく小さくすることが経営者としてただしいんじゃないかなと私は思うんです

この言葉の真意は、組織としてなるべく自由にみんな働いた方がいいんだけどももちろん最低限全員で守らなければ成立しないラインがあります。このラインをみんなが気持ちよく働ける範囲でなるべく低く設定できることが大事ということ。あなたの会社でも無駄にガチガチにルールに縛られていることってないですか?

 

「ここがボトルネックになっているはずだから、これをこう変えれば全体がこうよくなるはずだ」というふうに行動しなければいけない

プログラマー魂を持つ岩田さんっぽい考え方。どんな行動も、常にこれを考えていると最も少ないコストで最も大きなリターンを得ることができます。時間は有限です。当たり前だけどすべての人がこの行動をとるべき。

 

「こうありたい」が共有されているとプロジェクトは上手くいく

組織が大きくなればなるほど、共有は難しくなります。しかし、岩田さんは「こうありたい」というゴールさえ共有されていればいいと言います。そういう意味で、岩田さんは自分が読んだ本で「任天堂の目指す方向に近い」と感じた本は社員に配っていたそうです。

 

自分以外の人に敬意を持てるかどうか

岩田さんは自分に持ってない能力を持つ人にはとにかく敬意を持って接していました。社長だろうがなんだろうが自分と違ったアイデアや技術を持っていれば素直にそれを讃える。それが周りを巻き込む力になっているんだと思う。

 

正しいを価値基準にすると、コミュケーションが成立しない。岩田さんは人が喜ぶことを価値基準にしていた

岩田さんという人間を周りの仲間がどう見ていたか。最も共通することがこの価値基準だったんだと思う。どうすれば人が喜んでくれるか?これが原動力になっていたから多くのヒット作を世に出せたのだし、周りからも慕われてたのでしょう。

 

岩田聡の名言「クリエイター論」編

才能とは「ご褒美を見つけられる能力」のこと

秀でた技術を会得するには膨大な時間それに費やすことが必要です。なので岩田さんは天才の定義を「人が嫌がるかもしれないことや、人が疲れて続けられないようなことを、延々と続けられる人」としています。これはいかにそれをやることで自分へのご褒美を見出せるか?がカギです。何かを学ぶ時に「どう学ぶか?」よりも「どう自分が楽しくなるか?」の視点で見てみよう。

 

プログラマーはノーと言ってはいけない

岩田さんの有名な言葉ですが、勘違いする人が多いそう。これの真意は、作り手ができないと言ってしまうとアイデアが収縮してしまうことを懸念しています。またできないという言葉だけではダメで、「できるけど、これが犠牲になるよ」と理解し合うべきという意味を込められているそう。

 

宮本茂「アイデアとは複数の問題を一気に解決するもの」

宮本さんの超有名な言葉ですが、実際は岩田さんが広めたと言われています。あちらを立てればこちらは立たず、というトレードオフの対処は本当のアイデアとは言わず、すべてを一気に解決するものがアイデアだと。僕は岩田さんや宮本さんはポンポン出せる人だとは思っていません。そうではなくて「すべてを一気に解決する」方法を常に考え続けている人なのです。

 

宮本茂「お客さんがわからなかったものは自分が間違っている」

宮本さんはプロタイプができたら近くの同僚に何も説明せずに「やってみて」とやらせるそうです。するとわかりにくいところや意図が伝わっていない部分が見えてきます。そこがどんなに自分に思い入れがある箇所だとしてもためらいなく仕様変更するそうです。この思考は今のアジャイル思考にものすごく役立つし勇気をもらえる話だと思う。

 

山内溥「今までと同じことしてたらあかん」

任天堂を岩田さんが社長を就任する前社長の山内さんの言葉。成功を重ねてきた企業ですが常にこれを言っていたそう。ちなみに「ゲームは2画面にしろ(そのくらい変えてしまえ)」という言葉もよく岩田さんたちに言っていたそう。それがのちにニンテンドーDSのアイデアに繋がったというエピソードもあります。

 

宮本さんの発想のしかたとしてすごくおもしろいことのひとつは、「機能から始まっている」ということですね。

「マリオに恐竜に乗せてみよう」ではなく「マリオにこう言った形の何かに乗せたら面白い」という理由でヨッシーが誕生しました。このように宮本さんは常に機能から発想します。だから、開発の過程でその機能から逸れてしまったら「ちゃぶ台返し」が発生してしまいます。宮本さんの企画がことごとくヒットする秘訣としてここが大きな要因になっていると思う。

 

1時間経つと自動的に電源が切れるゲーム機

岩田さんが昔考えたアイデアだそう。結局諸々の問題で実現しなかったそうなのですが、これをきっかけにしてできた機能もあります。しかし、この時間を制限できる機能は今の時代にすごく適していると思う。あえて時間の制限をする、は転用できそう。

 

むかしはみな、ライトユーザーだったはず。そう考えるとやっぱり、新しい人が入り続けることなとても大事。

プレステはゲーマー寄りになっていく印象でしたが、任天堂は常に子供から老人までをターゲットにしているのは誰でも伝わっていたと思う。ニンテンドーDSやWiiはまさにここで成功したと言っても過言じゃない。「ゲーム人口を広げる」という岩田さんの生涯の信念ともリンクしているこの考えは、あらゆる分野で忘れてなならないと思う。

 

削ることがクリエイティブになる

仕様を決めるとき、本当に大事なことは、「何を足すか」じゃなくて、「何を捨てるか」「何をやらないと決めるか」だ!という話はすごく参考になった。仕様を足していってしまう病のクリエーターは結構いそう。

 

 新しい制度や仕組みを作ってそれに「名前をつけた」

組織での新しい制度にもいちいち名前をつけたそう。その方が社員にも伝わりやすいし、自走しやすいんだそう。また、あのWiiリモコンも岩田さんが「リモコン」という名前にこだわっています。コントローラーではなくいつも茶の間に置かれているリモコンなのだ、という印象だけでもより身近に感じますよね?これってすごく大事なことだと思う。


まとめ

この本「岩田さん」にある数々の岩田さんの言葉はこちらの2つのサイトから抜粋されています

  1. ほぼ日刊イトイ新聞「岩田聡さんのコンテンツ」
  2. 任天堂「社長が訊く リンク集」

そのほかに宮本茂さんと糸井重里さんの岩田さんに関する話も記載されていて、任天堂ファンだけでなく、すべてのモノづくりをする人にオススメできる内容です。

岩田さんの早過ぎる死は日本にとって大きな損失ですが、このように素晴らしいコンテンツまとめ書籍を読めて嬉しいです。

ほぼ日刊のスタッフの皆さん本当にありがとう。