元LINE CEOのサービス創りの考え方「シンプルに考える」

みなさんご存知「LINE」の当時開発時にCEOを務めていらっしゃった森川亮さんの著書となります。
内容としては、『どうやったらすばらしいサービスが創れるか?』をとことん考えつくした極意みたいなことが実体験と共にわかりやすく書かれています。
どちらかというとクリエイターやエンジニア向けですが、どんな仕事にも通ずる内容だとおもいます。
この本をお勧めできる人はこんな方だと思います。
✅新しいサービスを本気で創りたい
✅モノゴトにいまいち集中できない
✅今の会社のやり方に不満がある
✅生産性の高い会社経営をしたい
かなりのサラリーマンに当てはまるのではないでしょうか?
それではレビューです!
目次
どんな内容?

簡単にですが、概要を抜粋してまとめました。
ビジネスは「戦い」ではない
- ユーザーのために尽くす熱が成功条件
- 競合他社は関係ない。ユーザーだけを見ること。
- マネタイズは考えない。価値を生み出すことに集中する。
- 結局会社とは人が全て。すごい人(成長を求める人材)が集まることが一番大事。
自分で「感性」で生きる
- 自分のやりたいことを仕事にする
- 会社、上司、同僚に自分は合わせない。自分の感性を最も大事にする。
- 職場の空気は読まない。ユーザーに与える価値のみを考える。
- こだわりやプライドは一切捨てる。本質に向かった努力のみをする。
- リソースは「何もない」方がいい。その方がより考えられる。
- 確信がもてるまで考え抜く。そうでないと失敗時に得るのもが少なくなってしまう。
「成功」は捨て続ける
- 会社は結果を出した人が報われる制度にするべき。(人事評価はシンプルイズベスト)
- 成功は捨てる。自分の市場価値のみを考える。過去にこだわると成長が止まる。
- 率直に意見すること。曖昧な表現は仕事をダメにする。
- 勝ち負けにこだわらない。本質のみを追求する。
- 主体性がない&モチベーションがない人=プロではない。切り捨てる。
「偉い人」はいらない
- 本物のリーダーは、自分の夢で人を動かす。社長・役員の肩書は不要!
- 経営理念はいらない。文書化してしまうと固定概念となってしまう。流動的でよい。
- ビジョンはいらない。未来を考えても無価値。今に集中する。流動的でよい。
- 戦略はシンプルであること。わかりにくいメッセージは逆効果。
- 守ると攻められなくなる。過去の成功を捨てる覚悟を持つ。
余計なことは全部やめる
- 計画はいらない。変化に対応することが大事。
- 事務方はいらない。設計と作成は分けないで同じチームで作り上げる。
- 仕組みはつくらない。マニュアル化すると創造性を壊す。常に最善を考え続けることが大事。
- ルールはいらない。スピード感を阻むものは一切切り捨てる。スピードがいのち。
- 会議はしない。会議信仰者は排除すること。
- 情報共有はしない。余計な情報の共有は、余計なことを考えるだけで損失。
イノベーションは目指さない
- 差別化は狙わない。ユーザーは「違い」ではなく、「価値」を求めている。
- 目の前のニーズに、愚直に答え続ける。(これがイノベーションになる)
- 「クオリティ×スピード」をMAXになるように考える。自己満足は一切不要!
- 「デザイン」が主導する。ユーザーの使いやすさを最優先にする!
- ユーザーは答えを教えてくれない。自らユーザーの声を掘り下げて、自分の頭で考える!
読んでみての感想

この本の一番おもしろいと感じる部分は、森川さん自身が「苦しんで苦しんでわかったこと」であることがわかるように書かれていることです。
自身の実体験をもとにこれがわかった、という内容なのでとても説得力があります。
それこそイノベーションを起こそうというサービスを作るには、自分が真剣になるのは当然ですが、周りの人にも不要なものは全て排除してゴールに迎えるように環境づくりをしなくてはならないということがよく理解できます。
自分が刺さった箇所を少しだけ紹介します。
競合他社は関係ない。ユーザーだけ見ること。
多くのクリエイターにとって耳がいたいのではないでしょうか?(笑)
どこよりも安い、こんな機能がうちにはある、といった差別化などはいらないと。
ただただユーザーが本当に欲しているモノは何か?これだけに集中すること。
んーなかなか難しいですが、これは正しいんですよね。刺さるわ。
確信がもてるまで考え抜く。そうでないと失敗時に得るものが少なくなってしまう。
“本気でやった場合に限るよ。本気の失敗には価値がある”
宇宙兄弟のこのフレーズを思い出しました。とつぜんマンガネタすみません。。
自分で絶対イケる、と考えた失敗でないとそこから得るものなんてない。これも当然ですがハッとさせられます。
経営理念はいらない。文書化してしまうと固定概念となってしまう。流動的でよい。
ビジョンはいらない。未来を考えても無価値。今に集中する。流動的でよい。
企業勤めしている方には少し驚きの内容ですよね。
話しは変わりますが、ソフトバンクの投資額には予算を決めないそうです。それは、本当に投資する価値がある企業が現れた時に速やかに投資できないと大損をするからだそうです。
これ当然かのように思えますが、実際の企業には必ず予算取りというものが存在します。健全かつ安全な経営なためにこれはとても重要なことです。
でも森川さんの今に集中する・流動的でよい。その積み重ねが最良の結果になる。っていう考えはしびれます。こんな企業で働きたくありませんか?
余計なことは全部やめる
ここの章については選べません。計画・事務方・ルール・会議・余計な情報共有、全部ムダ!超同意です。
これもほとんどの企業ではありえない内容となってますが、とても合理的で現実的な考えだと思います。
まとめ

いかがだったでしょうか?
森川さんのユーザーにとって良いものを作る気持ちが伝わりましたか?
なにかいいものを創ろうとする時に、ついつい頭でっかちで考え過ぎてしまいます。
でも結局はいかにユーザーに価値を与えるかの1点が重要なんだ、と僕ら教えてくれる内容です。
正直かなり人を選ぶ内容になっていることは間違いありません。また、ある業種ではこの考え方は通用しないかもしれません。
しかし、モノづくりの本質を捉えた考え方をインプットできるすばらしい本です。
おすすめです。是非みなさんに読んでもらいたいです。
今回もみなさんの行動を変えてくれる本をご紹介します!