
元マイクロソフトの伝説的な天才プログラマーである「中島聡さん」ってご存知ですか?なんとあのWindows 95、Windows 98、Internet Explorer 3.0/4.0を作り上げたというすごすぎる人です!
その中島さんが著者である「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」ですが以前から気になっていましたが、今頃ですが読んでみました。そしたら、ど真ん中にブッ刺さりましたw
エンジニアはもちろん汎用的な仕事術だと思いますので、全ての人にオススメする内容です。今回は概要と僕の刺さった部分を抽出してまとめます。本書には、マイクロソフトのビルゲイツ秘話や歴史的OSの裏話など、中島さん自身の多くのエピソードがたっぷりと入っています。どれも最高に面白い内容なので是非書籍を読んでみてください!
目次
あなたの仕事が終わらない理由
仕事が終わらない人の特徴
「ラストスパート 志向」 が 諸悪 の 根源
本書の序盤は、ズバリなぜあなたの仕事が終わらないのかの理由が書かれています。実際に仕事が終わらない人の具体例などもありとてもわかりやすい内容でした。そして、特徴はこの3つが主だと言います。
- 安請け合いしてしまう
- ギリギリまでやらない
- 計画の見積もりをしない
どうですか?心にグサッときませんでしたか?(僕はきましたよ、、)自分だけではありません。周りにいる同僚で仕事が遅い人にこんな特徴がありませんか?
「相談されたから忙しいのに引き受けちゃったよ」
「こっちまで手が回らない!まぁ期限まで時間あるし後でやればいいか。」
「あ、この仕様だと便利になるから是非組み込んじゃいましょう!」
こんな人いませんか?一見、仕事ができる人に見えますが、実はこういった人は仕事を終わらすことができない典型的な人達なのです。
時間を制するとどんなメリットがあるのか
人は2倍以上の能力差がある人にも、時間の使い方次第で勝てる
それでは、上記の特徴を克服し、仕事を終わらせるために時間を制するとどんなメリットがあるのでしょうか?3つ示します。
- リスクを測定できる
- 目に見える形のもの(プロトタイプ)を素早く作ることができる
- 誤差に対応できる
これらがなんでメリットなのか?いまいちピンときていないかもしれません。しかし、中島さんが仕事を終わらせるために提唱している「ロケットスタート時間術」についてマスターすれば理解できると思います。
ロケットスタート時間術をマスターせよ!
ロケットスタート時間術とは
考えてから手を動かすのではなく、手を動かしながら考えてください。崖から飛び降りながら飛行機を組み立てるのです。
時間を制するために中島さんが提唱する「ロケットスタート時間術」はとても簡単に言ってしまうと、、「2:8の法則で序盤の2割だけで7~8割を完成させる!」ということです。
具体的にはこうです。👇
✅引き受ける前に時間をもらう
もし上司から「10日で仕上げてくれ」という仕事の依頼をされた場合に、「(全体の2割にあたる)2日ほどスケジュール割り出しのための時間をください」と言いましょう。
✅できないと判断する場合
もしこの2日間でプロトタイプ完成ができなかった場合、それはスケジュール的に厳しいと判断して「10日ではできないのでもう少し時間をください」と正直に伝えましょう。それでは仕事ができない人に思われるのではないか?と思われるかもしれませんが、最後の最後に「やっぱりできません。」というより何百倍もマシです。というより、事前に予測を立てられる人だと評価が高まる場合もあります。
✅できると判断する場合
そして、ここで大事なのは、もし2日でほぼ完成まで持っていけて「これならすぐに納められる」と思っても絶対に納期を縮めないこと。そんなことをしていたらキリがありません。やるべきことは、残りの8割の期間で、余裕をもって完成までもっていくのです。
「そんな序盤の2割だけで、そこまでできるの??」と思うかもしれません。確かにそうです。そこで、中島さんが教えてくれる集中力の秘密は「界王拳を使え!」だそうですw
界王拳とは、有名マンガ『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空の技の名前です。「界王拳」を使用すると全身が赤いオーラに包まれ、戦闘力が飛躍的に上昇するのです。たとえば「3倍界王拳」を使うと戦闘力が3倍になります。界王拳はたいへん強力な効果を持つ代わりに、使用後は全身が激痛に襲われ、戦闘力が通常時以下に下がってしまいます。
これは言ってしまうと「ものすごく仕事に集中する」ということで、中島さんはこの2割のロケットスタート期間は20倍界王拳をイメージしているそうですw
界王拳の使い方
中島さんが推奨する界王拳の使い方3つはこれらです。
- メールも電話も一切しない
- マルチタスクはしない
- タスクの切り替えには昼寝をする
20倍もの集中をするのには、メールや電話、ましては同僚との世間話などの集中を邪魔するものは一切除外する必要があります。そして、マルチタスクを決してしないこと。人は複数のことをこなす能力は備わっていません。そこはしっかりと割り切って、「この時間はこれだけに集中!」と心に決めることが重要です。
また、タスクを切り替えするタイミングやどうしても疲れて捗らない時は昼寝を推奨しています。脳の老廃物を排除する唯一の方法と中島さんはしています。中島さんのオススメ時間は18分だそうです。これは個人差があるので何分寝るのが自分に一番適しているのかは検証してみる必要があります。
僕が本書で刺さった4つのこと
以上にあげたロケットスタート時間術が本書で推奨している技法となりますが、本書の真骨頂は終盤にかけて語っている中島さんの仕事に対する本意です。
これらは是非、本を手に取ってもらい読んでほしいです。あなたの人生が変わる可能性がある内容だと僕は信じています。
さて、最後に僕の仕事をしてきた上でこの本から刺さってしまった文言を4つ紹介して終わろうと思います。
① 「なるはや」という悪習慣
「なるはや」をやめれば緊張感が生まれる
あなたの会社では「なるはや」という言葉は使っていませんか?実はこれは日本でのみ使われる言葉だそうです。アメリカでは必ずどんな仕事にも締め切りを設けられ、締め切りを守るために全力で仕事に取り掛かっています。
効率というのは期限があるから、はじめて人は考えて行動を決定します。なので、締め切りが曖昧な状況では生産性が上がらないのは必然なのです。
締め切りがあるから緊張感が生まれ、効率の上がる仕事ができるということを肝に銘じる必要がありますね。これは非常に良い気づきを与えてくれました!
② 規則は守るな
会社のためになることならば、上司に逆らうことも大切です。
僕ら日本人のサラリーマンにありがちですが、とても非効率な社内ルールがあっても皆それを馬鹿の一つ覚えのように守ってしまいます。雰囲気や常識を重んじる職場であればよりこの傾向が見られます。
しかしこれを中島さんは間違いであると主張しています。ロケットスタート時間術のような活用に障害となる会社の規則を免除してもらうよう動くことは正当な行為なのです。なぜなら、僕たちの企業での役割は規則を守ることではなく、仕事を終わらせることだからです。
③ 集中なんかしない仕事なんかしない
重要なのは楽しくて楽しくてしょうがないかどうかの、ただ一点のみだからです。
「そんなこと言ったって集中力が続かないんだ!」
中島さんの主張に対して、こんなことを考える人もいるかもしれません。しかし、それはそもそもがおかしな話なのです。人は自分が本当に楽しんでする行動には集中しようという意識に関係なく集中するものなのです。
なので、もしあなたの仕事で「集中ができない」と思うのであれば、その仕事をあなたは好きではないのです。集中というのは好きだからこそ湧き出てくるもので、好きでないものには決して絞り出せません。
人生一度きり、楽しいことをしようぜ!という中島さんの直球の問いかけに僕は心が折れかけました。。ホリエモンの本を読んでいる時に感じる衝撃をここでも受けました。
④ 冴えたアイデアを生む思考とは
あなたは現在の世界・生活に満足してますか?満足していないからこそ、何かやりたいことがあるはずです。
中島さんのご立派なご意見はわかります。でも僕らのような凡人には世界をひっくり返すようなアイデアが浮かびませんよ!と思ってしまうのが正直な気持ちです。でもこれにも中島さんは答えを示してくれます。
いいアイデアとは、自然に出てくるものであり、新しい何かである必要はなく、すでにあるものの組み合わせによる応用でよいと中島さんは主張しています。
どんなサービスが大衆に刺さるのか?を考えていては決して成功はしない。「他の人はどうなのかわからないけど、自分はこれがあったら嬉しい」というような誠に個人的な思いが、未来のイノベーションを起こしているのです。自分は凡人だから、、と言い訳をしていた僕にはこれが一番刺さりました。。
まとめ
本書の概要と僕の刺さった部分をお届けしました。
どうですか?読んで見たくなりましたか?時間の扱いに悩んでいる全てのビジネスマンにお勧めします。これを読んだ次の日には効果が必ずある内容だと思います。
ここではマイクロソフトのエピソード系あえて除外しましたが、当時のマイクロソフトの社内情勢が垣間見れる内容は必見です。それほどページ数も多くないので、気軽に手を取ってみて下さい。
久しぶりにブッ刺さる本を読みましたよ。エンジニアは必見。