
真っ赤なカバーであるこの本は、情熱で満ちています。
この本の趣旨は一言で表すと「動画に取り憑かれた若者が30代になるまでのストーリー」です。
その中で、なんで動画にハマったのか、何を学んだのか、どんな動画を作りたいのか、が惜しみなく散りばめられています。
すごいなぁと感心させられた部分としては、この本はたったの222ページで文字数はおよそ55,000字程なのですが、めっちゃ濃い内容になっているということ。
本書の中に、「Information Per Time」という言葉が出てきます。文字通り、同じ時間の中でどれだけの情報が入っているかという単位です。
この本は間違いなくこの単位が限りなく高くなるように作られています。
文字以外でも、注釈の絵や図解、その他ブックの質感なども凝ってあり、動画を推奨しているくせに(笑)、それを本で伝えている理由が読んでみればわかります。
これ、2時間くらいあれば読み終われると思います。ぜひ手にとって濃密な情報を得てほしい。動画について語られているが、コンテンツ作成をしている全ての人に何か得るものがあると思う。僕も実際に動画作成はこれから始めるかもしれないけど、今のブログコンテンツ制作にも間違いなくプラスになるはず。
この本の最後にはこう書かれている「さぁ、今すぐこの本を投げ捨てろ」。あなたもぜひ読み終えたらすぐに行動にうつしてほしい。
と総評は以上のですが、この記事は僕の忘れたくないことをまとめる目的でもありますので、ざっくりまとめますが、繰り返しになりますが短時間で読める本なので、ぜひ実際に読んでみることを推奨します。
目次
動画のこれが知りたい人は必読
この本を読めば何がわかるかをまとめておきます。
この本から学べること
- 動画ブームの移り変わりとその理由
- 動画が注目されている理由
- 動画撮影の基本技術
- 世界の動画動向
- イケてる動画の作り方
すごいのは実際に、動画はこう作ればいいという明石さんのノウハウを晒しちゃうところ。
メタップス佐藤航陽さんのベストセラー「お金2.0」も、印税収入をもらわず広告として本を出したとおっしゃっていましたが、おそらく明石さんも自分の価値を上げるためにあえて晒してるんだと思います。
また、ここまで書いてるんだから実際にやれよな!という全てのクリエイターに向けてのメッセージも込められているんだと思います。
なぜ動画がアツいのか?
この本の中枢である動画がアツい理由についてまとめておきます。
映像と動画の違い
まず、動画の価値を革新させた出来事は周知の通りですがこれらです。
- スマートフォンの普及
- モバイル通信3G、4Gの普及
- YouTube、Instagram、Facebook(最近はTikTok)などのプラットフォームの登場
スマホやモバイル通信が普及する前は、僕たちはテレビが主なメディアでした。なので、テレビを見るのは家族が決まった時間に集まってみんなで見るというのが普通でした。
テレビ番組を製作する際は、その中にCMを挟んだり子供からお年寄りまでを対象に作る必要があります。しかも大抵は1時間や2時間といった長さとなるので、絶対的に「情報が薄く」なってしまいます。
一方、近年のスマホ視聴ではどうでしょうか?電車移動の10分、トイレの中の5分、もっと言えば30秒のスキマ時間を使って人は動画を見ています。
そうなると、求められるのは「情報量の凝縮」です。先に上げていますが「Information Per Time(= IPT)」がより高いものが価値のある動画と判断されます。
明石ガクトさんは今までのテレビのようなIPTが低いメディアを「映像」、現在のYoutbeのようにIPTが高いメディアを「動画」と定義づけしています。
もちろん、僕らがこれから命を削って作っていかなければならないのは「動画」になるわけです。
5Gと8Kの普及
5Gがもたらす非可逆性の衝撃
あなたは外出中に動画を見ますか?僕はTwitterで流れてくるGifや本当に短い動画であれば見ますが、少しでも長い動画は見ません。もちろん、ギガを食われたくないからです。
しかしこれから普及される5Gという次世代高速回線ではこのようなことを気にする必要は無くなるかもしれません。そして特筆すべきはそのスピードです。フルハイビジョンの映画をおよそ1.5秒でダウンロードできると言われています。
人間が体感できないレベルにまで低遅延化した時、どんなことが起こるのか?明石さんの予想では、動かないメディアは物足りなくなるだろうとしています。それはスマホのない時代には戻れないことと同じように、全てのメディアで非可逆的に動画がスタンダードになるということです。
実物と判断がつかない8Kという解像度
8Kとは解像度のことで、あなたのPCやスマホはほとんど2Kくらいでしょうか。4Kテレビというのもあることはありますが、ほとんど持っている人は少ないと思います。
明石さんはこの8Kを最初に再生するデバイスはスマホであると断言しています。さらに、将来的には今の5〜7インチといった小さな画面ではなく、SF映画のようにホログラムが広がるような機能が付くと予想しています。
8Kは理論上、人間が見ることができる限界と言われています。なので、動画の真骨頂であるIPTを極限に上げることができます。しかし、課題としてはデータサイズが大きすぎるということです。そこで5Gの登場です。
この2つの技術が掛け合わさってこれから世界に普及していきます。これで動画が主流にならないわけがないという、誰でも自然に理解できるお話でした。
「これからのクリエイター」になるには
「エンゲージメント」と「続ける」こと
ということで、これから全ての表現において動画が使われてきます。これからの仕事は全てヴィジュアルが求められます。
そして重要なのがその動画コンテンツは「誰でも作る」ことができ、「誰でも届ける」ことができるということです。今であればスマホだけでも作ることができ、Youtubeに投稿するだけでタダで届けることもできます。
明石さんはコツは1つしかないと助言します。それは「エンゲージメントだけを追求した動画を作り続ける」だけです。
エンゲージメントとは、「信頼してもらう」「ファンになってもらう」ということです。
え?それが難しいんだけど、、と思いますよね。そこで、明石さんはエンゲージメントの高い動画の作り方も公開して下さっています。
プラットフォーム × スタイル × エンゲージメント=マネタイズ
こちらの3つを守ればマネタイズできると断言してます!
- どこのプラットフォームで勝負するか決める
- そのプラットフォームで輝くスタイルを考える
- スタイルを踏まえたエンゲージメントの高い動画を作り続ける
Youtubeをプラットフォームに選ぶとしたら、最低でもYoutubeを1日1時間は観続ける。そこでこの動画ならここでウケそうという動画をUPし続ける。
続けているうちに手応えを感じ始めたら次はスタイル作り。コツはちょっと観ただけで「これはアイツが作った動画だ」とわかるもの。パクられてもこだわって続けること。
最後にその完成したスタイルでどうエンゲージメントが生まれるか工夫を続けること。これが難しいけど明石さんからのヒントではエンゲージメントは「4つのE」からできているとのこと。
Empowering:あなたを心から励ます、味方になるストーリーを選ぶこと
Entertaining:あなたの1日が、幸せになるような動画を作ること
Enlightening:あなたの知りたい情報を正しく、適切に選んで伝えること
Emotional:あなたの心が揺さぶられる、感動が止まらないヴィジュアルを作ること
これらはブログなどの他メディアでも当てはまるヒントです。肝に命じます!
まとめ
読んでみれば、なぜ最近になってたくさんのインフルエンサーがYoutubeなどの動画を始めたかよくわかります。感度のいいクリエイターは本書で伝えている動画の波を感じていたのでしょう。
さぁ時代遅れになる前にこの本読んで、今日からクリエイターになりましょう!
著者である明石ガクトさんが出演している落合陽一さんと議論する「動画ビジネスをアップデートせよ!」も超おすすめ!👇