【メルカリ 書評】山田進太郎氏がスタートアップを成功できる4つの理由 – 奥井和行 著書

こんにちは。ITブロガーのマサタカです。メルカリ大好きな僕向けの本を発見。

本屋にて一目で「メルカリの本やん!」という表紙を発見して、即買いしました。

 

メルカリ好きの僕は知ってることも多かったけど、ここまで詳細に内部の事情が書かれているのは初めてだったので大興奮w

どのようにして日本でメルカリ級のスタートアップが誕生し歩んできたかを知りたい人は絶対見るべし。

 

今回は、書評として「メルカリCEO山田進太郎の成功4つの理由」とおまけとして「メルカリの戦略」について刺さった内容について考察を踏まえてご紹介いたします。

 

気になった方は、ご購入して読んでみてね。

 

メルカリCEO山田進太郎の成功4つの理由

1.貴重なインプットが大きなアウトプットを呼ぶ

山田さんがウノウをジンガに売却後、ジンガを辞職後に世界一周の旅を経験しています。

「何か成果があったのかと言われると、特にこれだというのがあるわけではないです。(中略)ただ旅を楽しんでいるだけですが、これから先のいろいろな決断に少しずつ影響を及ぼし、最終的には決定的に効いてくるのではないかと思っています」

これはその旅の途中で山田さん自身がブログで綴った言葉です。

 

この時の本音では、「何かを得てやる」という気持ちがあったそうですが、この時点では成果といえるものはなかったそうです。

 

しかし、多くの新しい土地を訪れて道の言葉や文化をインプットしまくる生活は「アウトプット過少」に陥り、ものすごい創作意欲が湧いてきたそうです。

 

よく、アウトプットももちろん大事だけど、インプット期間を確保することは大事という話は聞きますが、このアウトプット過少状態を作り出す為なのかもしれないと思いました。

2.「失敗してもいい」の強さ

山田さんがメルカリを立ち上げたモチベーションとなっている「世界で使われるインターネットサービスを創る」という高い目標を持っていました。

スタートアップなので当然ですが、成功確率は低いです。

 

しかし山田さんは周りの人に「失敗してもいい」と話していたそうです。

 

多くの起業家と付き合いのある弁護士の猪木俊宏さんは、新たなスタートアップを切ろうとしている起業家が「失敗してもいいと思える」というのは聞いたことがないと言います。

 

僕はここに山田進太郎の真髄が隠されていると感じました。

 

三振続きのカッコ悪くて苦しい思いをするかもしれないけど、何度か打席に立てばホームランを打てるかもしれない。

 

メルカリは資金調達や戦略に多くの失敗と挫折を経験しますがその度に盛り返しを見せます。とっても単純なことだけど、メルカリの成功の一番の礎はこの思いだったのではと思っています。

3.理念(ミッションとバリュー)を決める

資金調達やアプリ制作に翻弄されて多忙を極めていた時期に、「このタイミングで決めなかればいけない大事なこと」と考えて時間を割いて創業者3名で決定したそうです。

 

最終的にはメルカリの理念はこのように決まりました。

決定したメルカリの理念

<ミッション>

新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る

<バリュー>

  • Go Bold(大胆にやろう)
  • All for One(全ては成功のために)
  • Be Professional(プロフェッショナルであれ) 

 

初期からミッションで世界を見据えていることが伺えます。(実際にメルカリはすぐにアメリカ進出します)

 

山田さんは、ここでしっかりと理念を決定したことはとても重要だったと振り返っています。

 

社員が増えるにつれて意識のズレが生じるのは仕方がないことだと思います。しかし同じ場所を目指していれば求心力は高まるものです。

 

これは全ての活動に不可欠なものだと感じました。普段、惰性でやっていることでもとりあえず「ミッション」と「バリュー」を決めてみませんか?

4.人を動かすのは人

山田さんはフリマサービスをやりたいと思い立った時は、まだ一人でした。

 

もちろん当時すでにウノウをバイアウトしている結果を出しているので、注目はされていましたが、仲間集めは一人一人簡単にはいかなかった様子が生々しく書かれています。

 

創業者、そしてその後迎えるメンバーは業界ではハイキャリアを極めている人達ばかりです。このようなメンバーをどうやって集めることができたのか?

 

ここで注目したいのが、ほぼ全ての人が山田さんとかなり昔からの付き合いがあり、お互いに刺激をし合っている存在であったことです。

中には年単位で交渉をしているメンバーもいるし、会うために海外にまで押しかけている様子も本では描かれています。

そして、結局最後に落とされるのですが、決まって描写されているのは「進太郎がここまで言うのなら、自分もやってみたい」と言う気持ちにさせられています。

 

僕はこの本を通して、メルカリとは「山田進太郎の人との繋がりを体現化したもの」なのだと理解しました。

 

人との繋がりはその人の人生も大きく変える非常に大事なものです。積極的にいろんな場所でいろんな人に出会うのは、人生を楽しくするための最も効果のある投資だと考えさせられました。


メルカリの戦略

続いて、本書に登場したメルカリの戦略について僕が面白かったものをいくつかご紹介します。

しまむら理論

デザイナーの宮上佳子さんの「しまむら理論」が作り手目線として面白いなぁと感じました。

 

しまむらは一流モデルを起用してコストはかけるが、あえて庶民性や親しみやすさを強調させています。これをマスを狙うフリマアプリもこの戦略を用いるべきだという理論です。

もちろんカッコいいデザインを好むエンジニア側からは非難されましたが、宮上さんの持つ「小さな子どもを持つ地方に住む主婦が意識せずに使える」という主張を貫き通しました。

 

結果、このデザインが主婦層にウケてアプリの拡大に繋がりました。

 

これは結構衝撃的です。僕は当時からメルカリは利用していましたが、確かに少しダサい雰囲気wをしていましたが、これが狙いであったとは、、。

若い女性にターゲットを絞る

フリマサービスでは、「買うものがない」「売れない」という事態は最悪な事態です。

 

しかし立ち上げ当初では当然この問題が発生します。そこでいわゆるサクラを仕込んだそうです。(メルカリ以外のフリルなどのサービスでも皆やっていたそう)

その際に大学の女性だけのサークルに照準を合わせお金を払って協力してもらったそうです。

 

特に効果があったのは読者モデルで一度着用したものを売るニーズは高かったそうで、これがメルカリの勢いに火をつけたことになります。

これは現在のインスタ映えの流行りにも繋がり、多くの若い女性にも刺さりました

 

このターゲットを絞るは非常に重要だと感じました。ペルソナを明確にさせることによって、より的確な戦略にもなります。割り切りは大事です。

テレビCMのタイミング

何と言っても的確な時期にテレビCMを打ったのがメルカリがフリルを逆転し、市場を獲った大きな要因でしょう。

 

莫大なお金がかかるテレビCMですが、この時期にスタートアップでは破格の14億5000万円をVC(ベンチャーキャピタル)から調達しています。

 

そしてCMの内容でも、ターゲットを絞る戦略を貫きます。ターゲットとなる若い女性は先行しているフリルのメインユーザーでもあります。

ここ一気に崩して、フリルのお得意様ユーザーを奪う戦略です。

 

これが功を奏し、先行者超有利なインターネットサービスでは困難である後発者メルカリの逆転に繋がりました。

 

もし、この時期より前にフリルがテレビCMの戦略をとっていたら、今の市場は変わっていたことに違いありません。「タイミングが全て」と言うことが残酷なほどわかる事例です。


まとめ

本書は主に起業時のことが濃厚に書かれています。メルカリアッテ・メルチャリ・Teachaなどの斬新サービスについてはほとんど書かれていません。

 

ただ、メルペイとその代表取締役になる青柳直樹氏については後半にストーリーが語られていました。

メルペイと青柳さんのファンである僕には結構アツいエピソードでした。ここも是非注目してほしい

 

起業を目指すぞ!と言う人はもちろん、メルカリが好きな人、スタートアップが好きな人には楽しめる本だと思います。オススメしますよ!

メルカリの賢い使い方についてはこの記事をみてね。👇

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2018.09.23