
僕は価値観について考える際に、大事にしていることがあります。
それは、僕も尊敬している落合陽一さんの信念で「価値観は常に変動するものなので、毎回議論をして決定する」と言うものがあります。(落合家の家訓になってるとか)
そこで、議論にあたり今世界の事実はどうなのか?ということが非常に重要になっています。価値観が変更するということは、「事実に変化があるから」だからです。
つまり、事実をより正確に掴んでいる人間のみが正確な価値観を持てるのです。
これを理解してからは、僕は日々の情報収拾は怠ることなくしています。ある意味、強迫観念のように張り付いているので、おそらく同僚や周りの友人よりは多くのことを知っていると思ってます。
そんな僕が、非常に衝撃を受けたのが今回ご紹介する「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」となります。
政治家も教授も世界の真実を知らない

一般庶民である僕のような人が「全然世界のことを理解していない」ということであれば、僕だってそれほどショックは受けません。
しかし、世界の動向を決定するような政治家、科学の最先端にいる学者、真実を伝えなければいけない大手メディアのジャーナリスト、超大手企業の役員、彼らの理解が全く間違っているのであればそれは大事です。
この本では、はじめに13問の質問を答える作りになっています。複雑なものはなく、誰でも直感で答えられるような3択問題です。
これらの問題については是非本書を購入してやってみて欲しいですが、おそらく相当正解率は低いと思います。(本当に。。)
最悪、僕やあなたはいいでしょう。でも、もし先ほど挙げた世界の重要人たちがこれらを答えられなかったら、「環境問題の政策」「どの研究にお金を使うか」などの重要な決定に対してまともな施策が打てなくることを示します。
もう想像はついているかもしれませんが、重要人たちの正解率は深刻かつ悲惨な現実になっています。
人が思い描く常識とは、様々な錯覚を生み出す人間の本能によってねじ曲げられていることを、この本からあなたは学ぶことになります。
あのMicrosoftのビル・ゲイツは、この書籍に深く感動し、大卒の希望者全員にプレゼントをしたとされています。
是非、あなたも「真実を見る目」を手に入れるために本書を読むことを強くお勧めします。
錯覚を生み出す人間の本能の1つ「単純化本能」とは?

この本では10つの人間の本能について語られています。章立てで、わかりやすく筆者の面白いエピソードを添えて、章ごとに要点をまとめてくれているので、とてもわかりやすい内容であっという間に読み終えました。
せっかくなので、僕が感銘を受けたその中の1つをご紹介したいと思います。
それは「単純化本能」というもので、人はよりシンプルなものを好んでしまうため、事実を間違えて見えてしまうとうものです。
特に陥りやすいワナとして、自分がいる業界で培って得た経験というのは自分の中では非常に強力に信頼をしています。
それも当然です。その経験によって、プロジェクトをうまく回して実際にビジネスを成功させているからです。(それが大プロジェクトならなおさら)
しかし、そのノウハウが全てのことに通じていると考えてしまうのはとても危険です。この世界で通用したのだからこちらでも通用するはず、という考えは失敗を招きます。
物事というのは実際にはとても複雑な要素が絡んでいて、ひとつの視点では理解できるなんてことは到底できないのです。
そこで、筆者はこのような5つのアドバイスを僕たちに教えてくれています。日本ビジネスマンには効果てきめんなアドバイスだと僕は思います。
単純化本能を正す5つのアドバイス
- 自分の考え方を検証しよう。
あなたと意見の合わない人に考え方を検証してもらい、自分の弱点を見つけよう。 - 知ったかぶりをやめよう。
何事も知った気にならずに、知らなことがあると謙虚に認めよう。 - めったらやたらとトンカチを振り回すのはやめよう。
自分の分野だけで全てを見ないこと。違う分野の人たちの意見に心を開こう。 - 数字は大切だが、数字だけに頼ってはいけない。
数字が人々の生活について何を教えてくれるかを読み取ろう。 - 単純なものの見方と単純な答えには警戒しよう。
複雑さを喜んで受け入れるマインドセットを持つ。常にケースバイケースで問題に取り込もう。
どうですか?心にグサッとくる人は多いのではないでしょうか?
まとめ

今回ご紹介したのはたった1つの本能についてですが、その他9つも明快でわかりやすい内容ですが、普段錯覚に陥りやすいものばかりです。
是非本書を読んで、正しく真実を見るための目を鍛錬しましょう。
また、世界の真実についてもデータを基に解説されていますが、これも目から鱗のものばかりですので普通に勉強になるはずですよ。
「FACT FULNESS(ファクトフルネス)」は間違いなく2019年の必読本です。オススメです!