
皆さんはMaaS(マーズ)という言葉は知っていますか?
2018年ではすっかりバズワードとなって最近ではどの業界でもキーワードとなっているのではないでしょうか。
そんなMaaSの今までと現状が超わかりやすく解説されている書籍を読みました。
ということで今回は、MaaSのこれさえ知っておけばOK!というの大事な要素をまとめていきます。
目次
MaaSとは何か

ただの移動手段だけではない
MaaSと聞くと、僕の印象では「マイカーを持たなくてもよくなる」という事を強くイメージします。皆さんもそうではないでしょうか?
しかし、MaaSの構想はそんなレベルではありません。(もちろんマイカー脱却はとても大きな要素ですが。特に日本では)
僕たちの通勤や旅行などのみでなく、最終的な構想では住宅や都市といったレベルまでMaaSが変えてしまうかもしれないのです。
モビリティの革命というのは、僕たちの生活を一変する可能性を秘めていることをこの書籍から学びました。
MaaSは僕たちにどんな影響を与えるか
MaaSは僕たちの移動のみを変えるのみではなく、あらゆるサービスが変わるかもしれません。
例えば、海水浴に旅行に行くとします。その際に海への交通や宿泊はもちろん、どの海の家を選ぶのか浮き輪を借りるなどの細かなこともパッケージしてくれるのもMaaSとなります。
もっと身近な例だと、何かスポーツをやりにジムや体育館などに行く事があると思います。その時に、使う道具を保管してスポーツウェアを洗濯できるサービスもまたMaaSの一部になり得ます。
しかも、支払いはそれらをパッケージングしてくれる取りまとめ主(本書ではオペレーターと呼ばれる)にのみ一括して支払えばOKというのも特徴です。
より適したサービスとの組み合わせを提供できる仕組みとなれば、今までより全てが低コストとなる可能性も高いので、僕たちとしては良いことづくめです。
これらが当たり前になる社会では、より自分に適したMaaSを活用できる都市や住宅を選択して暮らすのがスタンダードになってもおかしくありません。
日本でMaaS社会を成立させるには
そんな素晴らしいMaaS社会になるためにはどのような課題があるのでしょうか?
最も大きな課題となるのは、各交通プレイヤーの連携です。
ユーザーにとって魅力的なサービスとなるには、各交通機関をいかに柔軟な組み合わせでユーザー体験が良いものを提供できるかにかかっています。
公共交通機関となる鉄道系、ファーストワンマイル・ラストワンマイルの重要な立ち位置を担うバスやタクシー、そしてカーシェアリングなどのサービスがより密着した連携をしないと成立しません。
自動車業界ではMaaS社会に向けての対応は意欲的に進めています。(というか対応せざるを得ない)しかし、バスやタクシー会社では積極的には進められていません。
全ての移動機関で成立するビジネスモデルを模索するのが最も困難なことです。これにはやはり国が参入して各プレイヤーが協力していくしかないと思います。
MaaSに関連する技術について

関連テクノロジーについてもまとめておきます。
シェアリングサービス
UBER(ウーバー)や滴滴出行(ディディチューシン)といったサービスは米国・中国では既に当たり前の交通手段となっています。
日本でも導入されていますが、皆さんもご存知の通り全然広まっていません。
理由は、日本では既存のタクシー業界を守るためにかなり厳しい規制があり、UBERの特徴である「車種を選べる・待ち時間少ない・タクシーより安い」が機能しないのです。
ソフトバンクの孫正義さんも痛烈に日本政府を批判していますが、ライドシェアを阻害する規制なんて僕たち国民にとって何一ついい事がありません。
滑らかなMaaSを成立させる大切なピースであるシェアリングは早急に規制緩和が求められます。
自動運転
自動運転はもちろんMaaSには欠かせない要素。
おもしろいなぁと感じたのが、自動運転は責任問題が難しすぎるのでレベル4へ一気にステップさせた方向が高まっているとのこと。
理由は、レベル3の人と自動車との切り分けでは責任問題が法的に解決に時間がかかるから、であれば初めから人の手を介するのは排除するということです。
この場合は、個人での利用ではなく公共でのサービスカーを想定しています。これであればMaaSにマッチした活用方法が可能です。
また、メーカーとしても一気にステップアップさせることに意味はあります。
メーカーとしてはMaaSの方向性は、収益減収になりかねません。だからこそ、自動運転をなるべく早く普及させて新たなマーケットを創り出す必要があります。
本書にはいかにリアルな検証を繰り返しできる環境を用意できるかがカギと書いてあったが、まさにその通りだと思う。
地図サービス
現在最もMaaSを身近なものに感じるアプリとしてGoogleマップがあります。
皆さんも使われていると思いますが、目的地までの最適ルートを提案してくれます。ただし、それはまだまだ様々な組み合わせをさせた柔軟な提案までには至っていませんし、決済機能もついていません。
オーストラリアのSkedGO(スケッドゴー)やドイツのHERE(ヒア)では、自動車からのコネクテッドデータや各社からのオープンデータを参照できる仕組みとして注目されています。
日本でもドコモがやっているバイクシェアとNAVITIMEが連携していますが、より多くのオープンデータが利用できる環境がカギになってきます。
決済をどこでするか?は難しい課題ですが、データさえあればMaaSの目指すべきより最適な提案はそれほど難しくありません。
こちらも国を挙げてより早期に多くのデータをオープンにするべきだと僕は考えています。
まとめ
モビリティのゲームチェンジは、インターネットがもたらす最大の変化になり得ます。
日本は世界の先進国と比べて少し遅れている感はありますが、屈指の鉄道インフラ&小さい島国という国土環境を考えるとまさにMaaSに適しているのではないでしょうか?
僕が特に効果を期待しているのは、Maasは今まで強かった産業へのお金の流れが、地域の経済を潤す方に流れる動きが強める可能性があることです。
地方の地域経済がいかに活性化するかは日本経済最大の課題ですから。
まずは先にも挙げました、交通事業者の利益とリスクをシェアできるモデルをより高速に構築させたいですね。
日本のMaaSを見習え!と言われるような世界のロールモデルになれれば最高です。