【シェアライフ 石山アンジュ】シェアリングエコノミーの本当の価値は「人とのつながり」だ。

シェアライフ石山アンジュ
こんにちは。ITブロガーのマサタカです。今回は石山アンジュさん著書の『シェアライフ』をご紹介!

シェアリングエコノミーの新しい考え方が学べて、非常に勉強になりました。僕のまとめを見て「シェアライフ」が気になったら是非読んでみてください!

本書を読んで、僕が気になったところを以下2つのテーマでまとめました。

2つのテーマ

  1. シェアリングエコノミーとは?
  2. シェアの概念を世界に普及するために必要なこと

 



シェアリングエコノミーとは?

シェアリングエコノミーとは

幸せの価値を変えるもの

お金に価値がある?

日本における高度成長期の幸せとは、「いい会社に入っていい車に乗っていい家に住む」というのが長らく定義されていました。

しかし、近年ではモノは溢れ、日本経済は停滞を続けると共にインターネットの出現によって、「本当の幸せってなんだっけ??」という空気が日本に定着するように。。

 

そこで、お金の価値があやふやになっている現代で注目されてきたのが「精神的な満足」です。

今、世界を圧巻しているGAFAなどを見れば分かる通り、モノではなく精神的に依存しているサービスに対して強い心の結びつきが、今の僕たちにはあります。

そのような着目点で考えると、シェアリングエコノミーは大きな可能性があると石山さんは主張しています。

 

シェアによって生まれる新しい価値

シェアをするというのはいわゆる「CtoC(ユーザー同士のやりとり)」で行われます。今までは企業からのサービス提供により成立していた事が一般ユーザー同士で行われることになります。

この時、対価のサービスとは他に「人とのつながり」という新しい価値が生まれると言います。

 

これはメルカリでのやり取りを考えるとわかりやすく、売り手・買い手同士で取引メッセージをするだけで、なぜか親近感がわくことってありますよね?

まさに「あれ」が人とのつながりなんだと思います。これは企業とのやりとりではなかなか味わえません。

つまり、シェアリングエコノミーの本質は価値の共有によって受ける恩恵は経済的な価値だけでなく「人とのつながり」であるということです。


個人の働きかたが変わる

ニッチな能力

シェアによって働き方も変わってきています。「クラウドワークス」や「スキルシェア」と言った言葉は皆さんも聞いた事があるのではないでしょうか?

今までは、自分で起業するというハイリスクを負わない限り、企業に勤めるしか働くすべはありませんでした。しかし、上記に挙げたような働き方では、個人でも働くことを可能にしてるんですね。

これは、個人の持つニッチな能力が価値を持つ時代になったということを指します。

 

シェアワークによる経済的価値

個人で稼ぐことのハードルが下がれば、「高齢者、育児、障害者」などの今までは働きたくても働けない人も柔軟に働くことができるようになります。

これは、日本が抱えている人手不足問題を解決するような素晴らしい事で、経済的価値はかなり大きいです。

それ以上に、働くことによって人とのつながりがさらに広がり、多くの人の幸せに貢献する可能性もあります!んーいい事づくめ。

 

多くのサラリーマンの不安の救世主に

リストラや倒産により、もし今の会社で働けなくなったらと思うと不安ですよね?

別にサラリーマンに限ったことではありません。突然の自然災害や病気によって今の仕事を続けるのが困難になり得ることは多いにあり得ます。

 

こんな時に、複数の仕事先、収入源があったらどうでしょう?

副業というのが働き方改革によって大きな話題となっていますが、自分の持つニッチな能力をシェアすることで意外と簡単に収入源にすることは可能なのです。

これらは、単なるお小遣い稼ぎにとどまらない重要な財産になるのだぞ、と石山さんは推奨しています。

 

所有しないことで得られる自由

働き方もそうですが、働く場所も重要です。

例えば、Airbnb(エアビー)やシェアハウスで生活をしていれば、場所に縛られることなく生活する事ができます。石山さんは「世界中、どこに行っても居場所だと思える場所」がある状態が最も幸せと言ってますが、確かにこれってかなり強いと思う。

所有の1番のデメリットは、所有していると、今の生活を変えたいときに心理的・物理的ハードルになることなんですよね。

そう考えるとマイホームを買うということは、この先どんどん少なくなっていくのは必然となりそうです。

 

シェアの概念を世界に普及するために必要なこと

信頼と人のつながり

シェアが自分の幸せにつながることを意識する

そんな素敵なシェアなんですが、それでも知らない人同士で成立させるのって限界があるのでは?と思いませんか?僕は正直、思ってしまいます。

そこで、石山さんが主張しているのは、『目に見えない「信頼」や「つながり」という資本を意識する』ことだそうです。

僕たちはどうしてもお金という利害に囚われてしまいます。が、それだとダメでこれからは「信頼」や「つながり」がある方が価値があることをしっかり意識した方が良いですね。

難しいかもしれませんが、少しずつこのような思考にシフトさせていくことで、確かにより幸せになれそうな気がしています。お金による幸せって限界もありますから。

 

トークンエコノミーとの相性の良さを利用する

組合型シェアの可能性

本書には様々な事例が紹介されていますが、特に地域通貨の事例はおもしろかった!

地域通貨をやり取りするうちに、お互いの信頼関係が出来上がり、物々交換をするようになって結局は地域通貨を使わなくなった、というのです(笑)

つまり地域通貨は「感謝量」を可視化するもので、それが信頼そのものになるってことです。

 

本来のお金の本質を垣間見る事ができる超おもしろエピソードですよね。

やっぱり、地域通貨のような組合型トークンは相性がいいと改めて感じました。

 

お互いさまがキーワード

シェアリングエコノミーのモデルは実は2つあるそう。(わかりやすい言葉に置き換えてます)

 

2つのモデル

  1. UberやAirbnbなどの中国・米国型はいわゆる「金儲けモデル」
  2. 限られた資源を使おうと言った欧州・韓国型は「エコモデル」

 

日本ではどうしても金儲けの方が注目されていますが、石山さんはこの2つではない日本特有のモデルを作る事ができるはずと言います。

それは昔ながらの日本にあった長屋などで多くの人が協力しながら生活していた、東洋思想による「お互いさま」モデルを築けるとしています。

テクノロジーによって時代を遡るという発想が非常におもしろいです。


規制問題はやがて解決する

シェア普及の最大の敵

そして、これに触れないわけにはいかないでしょう。そう、日本の規制についてです。

日本ではライドシェア規制や宿泊シェア規制などでUberやAirbnbなどのサービスがほとんど普及に至っていません。これは非常に由々しき事態で、クソみたいな(口悪くてすみません)既得権益が原因なのは明らかです。

しかし、時代の流れは止められないのは歴史が証明しています。規制はやがて必ず緩和されます。当然です。その方がより多くの人が幸せになるからです。

より早くそうなるように、僕たちは意識的に声を大きくする必要もあるはずです。

 

ルールは変えられる

石山さんが語っている「住む場所の自由」には現実にはたくさんの問題が潜んでいます。例えば、住民税や子供の学校問題です。

しかしこれらも、やがては制度が設立するはずです。

テクノロジー変化が激しい中、ルールの変化も追随しないといけないのです。

 

石山さんの心強いお言葉が本書にはあります。

「ルールは誰でもつくれる。変えられる」

んーやっぱりトークンエコノミーによる独自経済圏の可能性ってかなり大きいですよねー。

 

まとめ

いつもWEEKLY OCHIAIで拝見している石山さんですが、ここまで深く考えながら議論に参加していたのかー、と驚かされました。

僕自身も、基本はお金儲けのシェアリングエコノミーしか頭になかったので、新しい考え方が学べてとても有意義な読書になりました

シェアライフ」おもしろかった。石山アンジュさんありがとう!

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2019.03.09