
僕は普段システムエンジニアとして、WEBやスマホを中心にシステム開発をしています。
最近はリーダーとなってチームを組んで様々なプロジェクトを推進しているので、この本のタイトル「THE TEAM 5つの法則」は超興味を引きました。
この本では、5つの法則を実践すれば誰でもいいチームがつくれると言うテーマで書かれています。
そして、僕がこれを読んでまず思ったのは、「麦わらの一味はやっぱり最高のチームだわ」と言うことです。麦わらの一味とはあの大人気漫画のワンピースに出てくる海賊たちのことです。
これってみんなもイメージしやすので伝わりやすいかなぁと思い、このテーマで書評をしたいと思います。
目次
麦わらの一味がチームとして優れている理由
それでは、本書にある以下の5つの法則に分けてご紹介していきます。
5つの法則ごとにご紹介
- Aim(目標設定)の法則
- Boarding(人員選定)の法則
- Communication(意思疎通)の法則
- Decision(意思決定)の法則
- Engagement(共感創造)の法則
Aim(目標設定)の法則

目標は超大事です。ゴールがないマラソンを走ることはできませんよね?
その目標には3分類あり、それぞれの特徴を掴むことがコツです。
- 意義目標
- 成果目標
- 行動目標
アクションの分かりやすさから、どうしても行動目標のみを定めてしまいがちですが、それだけだとトータルで上手くいかないと僕は思ってます。
常に意義目標まで示して共有していることが大事です。麦わらの一味ではここら辺がはっきりしていると思うのです。
ルフィ
【意義目標】海賊王になる
【成果目標】優秀な仲間がいる海賊団を作る
【行動目標】常に自分の信念に嘘をつかない
ゾロ
【意義目標】最強の剣豪になる
【成果目標】鷹の目ミホークに勝つ
【行動目標】毎日の剣術の鍛錬を怠らない
ナミ
【意義目標】世界地図を完成させる
【成果目標】グランドライン一周を達成する
【行動目標】目的地まで仲間を導く
やっぱり意義目標があるからこそ、正しい行動目標まで明確になるのです。彼らの意義目標はバラバラのように見えますが、それぞれが自分の目標達成にお互いリンクをしているのがいいですよね。
僕たちもプロジェクト成功には意義目標をしっかり共通認識にする必要があるのです。
Boarding(人員選定)の法則

「何をやるか」以上に「誰とやるか」がチームとして重要となります。
ご存知の通り、ルフィはそこはしっかり理解をしていて、仲間選びには余念がありません。
本書でもチームメンバーは誰かから与えられるものでなく、自ら探し、見つけ、連れてくるもの。としていますが、ルフィは常にそれを実践しています。
ルフィの良いところは、「自分は仲間がいなくては何もできない」と公言し、海賊王になるために必要だけど自分にはできないこと(料理・航海術・医療・造船・音楽など)を得意なメンバーを集めて完全に任せることにしています。
そして、もっとも大事にしている能力を「志が強い」にしているのが仲間選びに成功している秘訣だと思うのです。
ルフィが仲間に誘う時って、必ずそいつの「背景にある気持ちの強さ」を確認した時なんですよね。
僕たちビジネスマンも、能力どうこうよりも強い志を持っているかどうか、で仲間をえらぶのは意外とキモなんじゃないでしょうか。
Communication(意思疎通)の法則

この法則は5つの中で一番多くの情報で語られていました。それだけ複雑で難しいということでしょう。
数多くの中からこれからのチーム作りのトレンドになりそうだと感じたのは、流動化・多様化への対応です。昔はいわゆる「あ・うんの呼吸」で何とかなっていたことが現代では通じなくなってきています。
そこで、最も重要となってくるのが相手の特徴を的確に理解する事です。そのために「お互いの事を理解できる仕組み」がある事が求められます。
ルフィは仲間にする際に背景を知ってからとしているのは非常に合理的です。
また、相手のことをよく知る、自分をより知ってもらうために安心して意見を言える場を作るのも重要です。ルフィたちは自分の気持ちに嘘をつかずに話し合えるので必要ないですが、僕たち会社の中ではそんなわけにはいきません。
本書でもオススメしていますが、一見無駄にみけるかもしれない方法をとるのも良いかもしれません。
僕の会社でも、仕事とは関係なく普段話さない同僚同士で談話をする時間を実験的にやっています。僕はムダなことが大嫌いなのですが(笑)実際に全く知らない趣味とかの話で繋がりが強まったこともあり結果的に高い成果が出ました。
あなたの会社でも「ムダだと思えるコミュニケーションの場」取り入れてみませんか?
Decision(意思決定)の法則

チームにとって意思決定のやり方は大きく分けて3つあります。
- 独裁
- 多数決
- 会議
それぞれがメリット・デメリットがあります。本書の1つの例で「正しい独裁」はチームを幸せにするという表現がありましたが、僕もこれに賛成します。
ソフトバンク孫正義さんのファーストチェス理論(5秒で考えた手と30分かけて考えた手は実際86%は同じになる)も有名ですが、今の時代では意思決定のスピード感は重要なキーとなります。
麦わらの一味は、基本的にはルフィが即断で意思決定します。しかもそのほとんどの理由が「面白そうだから」です(笑)
もちろんそれが失敗することもあるのですが、素晴らしいところがルフィの決定に周りの仲間も全力を尽くすことです。
本書にはこのような言葉があります。
意思決定者は反対や孤独を恐れずに、1人で決めよ。しかし、メンバーは意思決定者を孤独にするな。
このマインドをチーム全体で持てれば、スピード感と一体感を持った強いチームとなれるのです。これは納得。
Engagement(共感創造)の法則

最後はエンゲージメントです。これはすなわち、「モチベーション」です。
著者は「全てのメンバーはモチベーションに左右される」、と言うようにモチベーションコントロールは強いチームを作るのに欠かせない要素です。
人のモチベーションとなり得る要素には以下の4Pが存在します。
- Philosopy(理念・方針)
- Profession(活動・成長)
- People(人材・風土)
- Privilege(待遇・特権)
この中で一番わかりやすいのは4つ目の待遇・特権です。サラリーマンですから、高い年俸を提示された方がやる気ができるのは当然です。
しかし本書ではこれからの時代ではこの待遇はどんどん弱まっていき、その他3つの感情報酬が高まっていくと予想されています。(テクノロジー革新でお金の価値が相対的に下がってるため)
そしてチーム力をできるだけ高めるためにはみんなが同じPを目指していることが理想です。
麦わらの一味はまさにProfession(活動・成長)が強いチームと言えるでしょう。理念・風土・待遇はそれほど気にしておらず、自分の成長具合を一番に気にします。
海賊の悪名高さを測る「懸賞金」を仲間内で争っているのもそういうことです。彼らは何よりも「自分がいかに成長できるか」をモチベーションにしている理想のチームです。
THE TEAMまとめ
今回はわかりやすく麦わらの一味を用いてご説明していますが、本書には実際のビジネスをしている人にとっては「超わかる」というような内容が多々あります。
時代の流れは「組織」から「個人」へと移り変わると言われています。(実際にそんな動きが目立ってきている)
しかし、チームプレイの強さはこれからも変わらないでしょうし、何か大きなことをしようと思ったらチームは絶対に必要です。
この書籍にはチームのために「リーダーがやるべきこと」というよりは、「チームメンバー全員でこの法則の仕組みづくりに参加する方法」が書かれています。
僕たちは麦わらの一味を見習って、個人も尖っているけどチームとしても強いビジネスパーソンになるべきなのです。
「THE TEAM 5つの法則」を是非読んで役立ててほしいです。