【書籍レビュー】「AIに負けない子供を育てる」は読解力を本気で考える本である【おすすめ】

AIに負けない子供を育てる-タイトル
こんにちは。2児の父であるマサタカです。

新井紀子さんの新刊出たので早速読んでみた!

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東洋経済新報社
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前作の「AI vs.教科書が読めない子どもたち」ではAIが本気で東大合格を目指してAIの限界を知る、というのが主なテーマでした。

【AI VS. 教科書が読めない子供達】 AI社会で生き残るために必要な知識を短い時間で習得する 解説まとめ

2018.09.10

しかし、その過程で子供の基礎的読解力が絶望的に低いことがわかり、この内容が世間ではものすごく話題になった本です。

今作ではこの基礎的読解力とは何なのか?どうやれば上がるのか?を深掘りした内容となっている。レビューを兼ねて僕の感想をまとめるが、子供を持つ人(または予定がある人)には必読して欲しい!というのが本音である。



実は大人も読めない!びっくりRSTの結果

読めないのは子供だけじゃない

本のタイトルでは子供を対象としているように思えるが、実は大人も読解力が低くて損をしている人がたくさんいるのだ。

しかもホワイトカラー企業に勤める、いわば読解力がなければまともに仕事ができないはずの大人でも実は読めていないという事実!

 

読解力って一言で言っていますが、まずはこれの定義をしておきます。

基本として、「識字」と「読解力」は違います。字そのものを読む力でなく、「文章の意味を理解する力」が読解力ということになる。

読解力がなくてもなんとなく読めている感じの人は「キーワードだけで文章の意味を理解している」のだそう。これを新井先生はAI読みと呼んでいます。

このAI読みで文章を読んでいる気になっているのがヤバイ。「AI読みをしている人は、絶対にAI人材になれない」と新井先生も言っていますが、AIに負けないためにはこのAI読みから脱却する必要がありそう。

 

リーディングスキルテスト(RST)を受けてみた

この本の良いところは、「じゃあ実際にRSTを受けてみよう」ということでRSTの一部である28問が実際にできることだ。

実際はもっと多いのだが、各分野で4問ずつとしっかりと信頼できる結果が出せるとのこと。各分野とはこちら。

RST内容

<係り受け解析>分の基本構造を把握する力
<照応解決>代名詞などが指す内容を認識する力
<同義分判定>2つの分の意味が同一化どうかを判定する力
<推論>基本的知識と常識から、論理的に判断する力
<イメージ同文>分と非言語情報(図表など)を正しく対応づける力
<具体例同定>定義を読んでそれと合致する具体例を認識する力

最後の具体例同定だけは辞書と理数とあるので7つの分野 × 4問で28問となる。

これ実際にやってみればわかると思うけど、とにかく疲れる。ちゃんと読むってのはものすごく頭の体力を使うことが実感できるはずだ。

幸い、僕は全項目で6点以上(10点満点)が取れた。これはビジネスパーソンとしてはまぁ合格点とのこと。

ただ自分としては、え??こんなの間違えるわけないじゃん。という感じだったのでそこそこショックだった。

このRST、是非みんなやって欲しい。


子供の読解力を上げるには

では、この本のキモとなる読解力を上げるには?というところで僕の目に止まったトピックをいくつか紹介する。

文章を理解する癖をつける

黒板を板書する時に、「文章の意味を理解して書く」のと「文字だけ見てそれをただ写している」が大きな差を分けている。

後者では明らかノートに書く時に黒板を見る回数が多くなる。授業参観などで自分の子供を見るときはここに注意してみよう!

 

そして、新井先生が何度も指摘していたのが「穴埋め問題」のようなプリントだ。穴埋めで高得点を取るにはキーワードを覚えるだけで良い。

これつまりAI読みを推奨してしまっているのだ。RSTのように文章を理解しないと解けない問題としないと読解力はつかない

これは全ての教師に知ってもらいたいこと!

 

子供に説明させる癖をつける

自分で丸つけするテストってあると思う。僕の子供もそうですが「消しゴムで消して正解を書いてる」ことが多い。

これはダメで、赤で修正をしておいてその後に「何が自分の答えと違ったのか」を論理的に説明をさせる。こうすることで読解力を大きく向上するし、二度とその問題は間違わない。これいいね。

 

そのほか、自分が体験したことを時系列で正確に文字や図にしたり、表やグラフを使ってレポートとして表現させることを推奨している。

あとは自分が興味のあるニュースを200字に要約+感想を200字で書かせる、というのもあった。これは僕も毎日実践しているが、文章の書くスピードが明らかに上がるのでオススメ!

週末にやってみましょう。

かっこいいを目的とする

そして個人的にものすごく納得したのが、子供が勉強する目的を間違えるな!ということ。

子供はテストで良い点を取りたくて勉強します。親も点数がいいと褒めます。(これが悪い!)

テストの点を目的としてしまうと、先述している穴埋めキーワードを暗記するだけのAI読みとなってしまう。そうじゃなくて、良い文章はかっこいいことを認識させる

 

子供が知らない言葉が出てきたときに、その言葉を使わない文章と使う文章を比較する。今まで長ったらしく冗長だった文が「明快でパリッとした文」になる。

子供がかっこいいからこの言葉を使いたい!という方向に向かえば強い動機づけになるますもんね。

かっこいいの価値を高めるのはとても納得。
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「AIに負けない子供を育てる」まとめ

この本ではそのほかにこんな内容が織り込まれている。

こんな内容がある

  • 学校に必要なITなんてそんなに無い
  • 読解力を培う授業を提案する
  • 大人の読解力は上がるのか?

 

新井先生は自身で研究したことを、学校の現場で実践する人なので、試したことや実際はどうだった、ということがすごくリアルに書かれている。そして、読解力を培う授業を超具体的に提案しているので、これは本当に全ての小学校で実践して欲しいと本気で思う。

 

また、読者様が気になっている大人の読解力についても、これまたリアルな事実が書かれている。結果だけ教えておきます。『大人も読解力を上げれます!

 

この本はAIの本というよりは、「文章の読解力」について本気で研究した結果を誰でもわかりやすい構成で説明している本です。

類い稀な名書と言っていい。超オススメです!
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