
ビジネスやテクノロジーを語る上で欠かせない、生ける伝説イーロン・マスク。
そんな彼の半生をわかりやすく解説している本を紹介します。
イーロンの考えもとても学べますが、それと比較して日本をディスる構造がとても刺激的でした!
僕なりに学びになった箇所をまとめます。気になったら是非読んでみてほしい。
目次
社会的な課題に真剣に立ち会う
イーロンは様々な事業を同時進行で進めている。その中でもテスラとスペースXは世界を大きく変えるような事業となっている。
温暖化対策には電気自動車(テスラ)は必須
イーロンの凄いところはその真剣に「社会的課題を解決したい」という姿勢だ。
地球は今とてもリスキーな状態だ。数々に及ぶ環境汚染の問題で、最も目に見えてヤバイのがCO2(二酸化炭素)の排出による温暖化。
産業革命以降、指数関数的にCO2の排出量が増え続けている。皆さんも年々感じていると思うが、明らかに最近は気温が高くなっている。(日本の夏は本当にやばい)
この状況で、常時C02の排出をしてしまうガソリン車は普通にダメでしょ?
という、本来なら誰もが考えてなければならないけど、誰も行動を起こしていなかったことにチャレンジするのがイーロンだ。
CO2を排出する最大の要因となっているのが、皆さんがいつも乗っている自動車だ。ガソリンを使う = CO2を排出 = 温暖化に貢献してしまっている、と考えて良いかと思う。
そうであれば、ガソリンを使わない電気自動車(EV)を世界中で使えば温暖化は最小限に抑えられんんじゃないの?ということでイーロンはテスラを始めた。最大の理由はこれなのだ。
さらに宇宙事業(スペースX)もやる理由
テスラで世界中のガソリン車をEVに変えたい!という大きな野望を実践しているイーロンだが、さらにビッグな起業をしている。それがスペースXだ。
スペースXは宇宙事業だ。最終的な目的としては、『地球ではもう住めなくなった場合に、火星などでも住めるようにする』ということだ。
とんでもないようなことだけど、もしそうなったら解決策がないとヤバイじゃん。という最もスケールの大きい社会的課題なので、そこにイーロンが挑むのも納得。
眼の前の安易な成功感のために「本当にやりたいこと」をおざなりにするのは全くバカなこと。とイーロンが発言しているが、その道が多難であっても逃げないのだ。
そして実際に民間企業で初となる、ロケット宇宙到達、ロケットの再利用という偉業を成し遂げて、なんとあのNASAよりも低コストでロケット開発を実現している。
ちなみに、テスラは特許出して放棄をしている。その理由は技術公開して電気自動車の普及を早めるため。しかし、スペースXは特許申請をしていない。それは、中国にパクられて軍事活用させないためである。
イーロン・マスクから学ぶリーダーの資質
そんな1つでも大変な事業をいくつも抱えて実践しているイーロンだが、人の上に立つリーダーとして必須な資質を備えている。いくつか紹介したい。
自信と情熱と楽観
イーロンはものすごい自信家でもあり情熱家だ。
「そんなことできるわけないだろう」と誰もが(仲間の技術者も)呆れている中、イーロンは「自分たちには絶対できる」とチームに言い聞かせます。
なので、絶対に妥協しない。これが限界、と言われても「自分の求めているスペックじゃない」と突き返して絶対に到達させる。この辺りはAppleのジョブズに似ているかも。
そして、もう1つ大事なことが、どんなにヤバイ状況であっても楽観の匂いを漂っていることだと言う。
この本を読めばわかるが、テスラもスペースXもとんでもない大失敗を繰り返し続けている。
しかし、イーロンは「こんなの大したことじゃない、絶対に乗り切れる」と逃げ出したくなるような大失敗の泥沼から、数少ない技術的成功の痕跡を見つけ出す努力をした。これこそが、成功への最大の要因だろう。
誰にも負けないスピード感
イーロンは速さにとてもこだわる。
もともとイーロンは自動車もロケットの知識はまるでゼロだった。しかし社会的課題を解決するために必要とわかったら最速で学習する。
その方法とはズバリ「専門家に聞く」ということ。誰よりも勉強して、そしてその最先端にいる人を集めて聞きまくる。こうすることでイーロン自身が誰よりもスペシャリストになるのだ。
そしてモノづくりの際の発想がこれだ。『業界の常識にとらわれず、他社のモノマネをせず、シンプルに原理を突き詰める』
いわゆるゼロベースとする。既存のものを中心に考えてしまうと、ジャンプしたモノにはならない。
「ロケットを1回飛ばすコストを1/10、1/100にしたい」と豪語するイーロンが最速で実現するには急がば回れ方式をとるのは当然なのかもしれない。
事業として成功を収めるためのマインド
最後にイーロンが進める事業で本書から学んだ成功のためのマインドをまとめる。
ユーザーファーストであること
テスラ車はスマホアプリのように、どんどんアップデートをかけることができる。
なので、テスラでは実際に使用しているユーザーからのフィードバックを愚直に対策した。無理難題にも素直に耳を傾けた。それによって、モデルSでは高い安全性を示すことに成功した。
このエピソードは、どの分野でもユーザーファーストで無理な課題でも対応する必要があると教えてくれる。
また、自動運転機能でも様々な向い風の中、リリースに至っている。その時イーロンはこのような言葉を残している。
テクノロジーの発展で将来の人命リスクが激減するのであれば、リリースを遅らせるのは道徳的に許されないはず。
少しでも批判の声が挙がったら、すぐに逃げ腰となる日本企業とは大きな違いがある。これこそが本当の意味でのユーザーファーストと言えると僕は感じた。
とことんコストを削れる体制とする
日本の電力会社は、かかったコストを足し合わせて利益をどんと乗せて「電気料金」として請求するという事実がある。
これでは提供側が本当に努力して、サービス提供のコストを下げるなどするはずがない。むしろコストを上げたほうがインセンティブが高い構造となっている。これが悪い。
テスラもスペースXもコストを下げない限り、市場で戦えない。だからこそ、本気でコスト削減に取りかかれるし、実際に圧倒的な低コストが実現している。
これについてイーロンのこのような発言がある。
コストダウンに革命なんてない、地道な努力の積み重ねからしか生まれない。
イーロンですらこうなのに、大きな資本力を持っていたとしても、この地道な積み重ねがなければ、コストダウンなんてできるわけないのだ。
チャレンジできる組織構造とする
よって、チャレンジするインセンティブがない組織構造は致命的と言える。これは、まさに日本企業が停滞している本質的な原因と僕は見ている。
組織として、どんどんリスクをとってスピード経営していかないと成長はしない。大企業こそ、大資本を生かしてリスクをとるべきなのだ。
また、日本企業では縦割り組織となっていて、どうしても風通しが悪くなるのもいけない。イーロンは組織の中で区切りをつけないそう。
ゆえに幹部だろうが個室としないで、みなスピーディに共有して決定することを最重視している。「チャレンジするスピードでどこよりも負けない」ここにこだわった組織が勝つんだと思う。
まとめ
イーロン・マスクはおそらく僕の生きている時代の中で、最も未来まで語り継がれる可能性のがある人物だと考えています。
おそらくこれからも多くの功績を残すのでしょうが、僕たちもせっかく同世代に生きているので、少しでも生き様を見習って、世界を良くするような行動をとっていきたいものです。
この本、すぐに読めてしまいますが、学びが多いのでオススメしますよ。
