
平野啓一郎さんという小説家が提唱している「分人主義」といのがとても僕に刺さりました。
若いころからアドラー心理学を実践している僕でも、久しぶりに世界の見方が変わった思想です。
この分人主義についてとーーっても簡単に説明します。わかりやすくするため、対義語?の個人と比較します。
今までの経験から作られた総合として1つの個人がある。
他人とで作り上げた自分として複数の分人がある。
つまり、自分とは接している他人の数だけ存在するという考えです。
これにどんなメリットがあるのかを、なるべくわかりやすく説明したいと思います。
あらかじめ、ネタ元となっている書籍を紹介しておきます。
分人主義の概念がよくわかる小説「ドーン」は是非読んでほしい。
小説が苦手・・と言う人向けのエッセイもあります。
気になった方は本当におすすめなので、読んでみてほしい。
目次
分人で考える5つのメリット

1. 八方美人が当たり前になる
人は特有のキャラを持ちたがります。
日本人は特に八方美人が嫌われる傾向にあります。
なので「自分はこうである」と決めた方がなんとなく気持ちのいい人、という印象がある。
でもこれって本当にそうでしょうか?
この人はこうゆう人だから、こっちのキャラで接する。みたいなことは当たり前ではないでしょうか。
分人の考えを持っていれば、堂々と「この人はこの分人」というように一貫性を保つ必要はありません。
こちらのほうが、健全かつ自然なコミュニケーションになると僕は確信をしています。
2. 嫌いな自分を切り捨てられる
自分を変えたい場合、個人で考えてしまうと「自分の行動」のみを変えようとします。
行動を変えることは大切ですが、これが非常に難しいことはみんさんもよく理解しているはずです。
しかも、効果を測るのも曖昧なのがとてもつらい。
それに比べて、分人ではやることは簡単です。
自分は他人とで作り上げた自分の集まりなので、嫌いな自分が表面化している人と疎遠になればよいのです。
そんな簡単にいくか。と思うかもしれません。
会社の上司なんて変えられないし、夫婦や家族だって切れない縁もある。それはわかります。
しかし、これはやるかやらないかだけの問題なので「行動を変える」という曖昧な対策より圧倒的に容易です。
完全に縁を切る、とまでできずともできるだけ距離を置く。もしくはその人以外との人間関係を強くする。でも効果は大きいはずです。
3. 多様な価値観を共有できる
個人の考えでは価値観は基本1つになります。
分人では多様な価値観を持つことができます。
例えば、Aさんの言葉がすごく印象に残ったとします。
その場では「なんかそれは違うきがする・・」と感じた場合でも、分人ごとに考えれば話は変わるかもしれない。
Bさんと作り上げた自分であればこう思う。Cさんであればこう。など、様々な分人で価値観を見ることができます。
このような考えを持てれば、今の時代に大切な「柔軟な姿勢」を持ち続けることができるのではないでしょうか。
4. 正しいアップデート
人から(もしくは書籍などでも)の影響を受けて自分の考えを変えることはよくあると思う。
でもこれって結構危険だと僕は感じていました。
個人として変化するのではなく、分人ごとに段々変えるのは有効だと思う。
この人の考えとはマッチしそうだからこんな話をしてみる→相手のフォードバックを自分の考えにも更新する。
そのようなアップデートの方が、正しいと思うのです。
5. 心の余裕が生まれる
分人の方が最も優れている点は、心に余裕ができることだと僕は思う。心の余裕ができるのはすごく人生を豊かにします。
人が一番不安に感じることは「孤独」だと僕は思います。それはつまり「自分の居場所」です。
分人では複数の他人と作り上げる自分が、全て自分だという考えです。
よって、もしこちらのコミュニティの人と上手くいかなくても、別のコミュニティの自分で生きればよいのです。
言い換えればセーフティネットを自分でこしらえる、と捉えてもいいかもしれません。
分人主義を実践してみよう!
分人主義という新しい概念について解説させていただきました。
わかりやすいように、かなり説明を省いている部分が多いです。
気になった皆さまには是非とも平野啓一郎さんの書籍を実際に読んでもらいたい!
これら以外にも、平野さんの小説はすごく面白いです。『マチネの終わり』にとか超名作です。
