
いつものように僕が刺さった部分のみ感想を交えてご紹介します。
目次
スポーツ界をアップデートせよ!
ゲスト:太田雄貴さん(日本フェンシング協会 会長)

フェイシングの太田さんがゲストです。今回はスポーツ界がテーマとなります。本当に様々な分野でやってくれますね。
今回も濃密な内容となっておりましたが、僕からは以下3点について感想をまとめさせていただきました。
- フェンシングからみるスポーツ界のテクノロジーについて
- スポーツ界の人材から見た理事職について
- スポーツ界がもっと盛り上がるにはどうすればよいか?
それでは、こちらの3つについて少しずつですが僕の感想と一緒にまとめていきます。
フェンシングからみるスポーツ界のテクノロジーについて
フェンシングとITは相性がよい
(落合)「電子審判はフェンシングが初めて実施した。フェイシングというスポーツはITに適している。」
今や野球、サッカー、テニスなどメジャースポーツでは当たり前になりつつある電子審判ですが、実は一番初めに導入しているのはフェンシングだと言います。
確かに、胴に接着したかどうかを判定するのは電子的でないと難しいので当然かもしれませんがフェイシングはITテクノロジーとの融合に適していると思います。
『MoreEnjoyFencing』ってご存知ですか?これは太田さんがもっと大勢の人にフェイシングを楽しんでもらうためにフェイシングの試合を加工した動画を紹介しているものです。
観ていただければわかる通り、これ最高にかっこいいです。これはフェンシングのことがあまり興味がない方でも気を引くような動画に仕上がっています。ですが、これは試合の映像を後から加工して作成しています。
これってもし試合中にリアルタイムにこんな動画にできたらおもしろいと思いませんか?落合さんは以下のようにコメントしています。
(落合)「オーケストラの指揮棒の先をトラッキングしているので、フェイシングもできる。」
落合さんも携わっている「耳で聴かない音楽会」にて既に指揮棒の先をトラッキングできているから、技術的にはフェイシングだって可能じゃないかとのことです。
これは是非やってもらいたいですね。絶対におもしろさが倍増すると思いますよ!
スポーツ界の人材から見た理事職について
若者にビジョンを持たせろ
(太田)「(ボクシング協会問題について)人材に流動性がないとこうなりますよね?VisionとMissionが別になるとこうゆう問題が生じてしまう。」
この話題は避けて通れないでしょう。昨今のワイドショーで多く露呈しているスポーツ界の話題となります。
太田さんはシンプルに「人材の流動性」について問題を挙げています。もうこれは真理なのは間違いないのですが、これを太田さんのような影響力がある方が言ってくれるのがWeekly Ochiaiの素晴らしさですよね。ホントにこれなんとかオープンなメディアにできませんかね?
そしてVision(ビジョン)とMission(ミッション)と表現されていますがこれはとても重要だと思います。
太田さんはフェンシング協会を運営するにあたりVisionは「感動体験を提供する」と決めているそうです。これなんですよね。
もし、ボクシング協会が同じようなVisionを掲げてそれを運営方針(つまりMission)としていたならば、今のような問題は起こり得ないでしょう。
ベンチャーとして考えろ
(太田)「フェンシングは『ベンチャースポーツ』」
太田さんは理事職としてもお給料をもらっていないそうです。これは収益化を目的としていないためであり、そのため活動自体がほぼボランティアに近くなってしまうそうです。(それが理由で適正のある人材をなかなか雇えないという問題もある)
しかし実際はフェイシング選手の遠征にかかる費用などは年間4億円程度がかかるそうです。これはフェイシング単体ではこの金額ですら賄えない状況となります。
この状況から、フェンシングをいかにビジネスに繋げるかを考える必要ができきます。そうです、まさにベンチャーIT企業のように「世の中に対して新しい価値観を提供して」お金を稼ぐ機関にならなければならないのです。
これらから太田さんのこの発言が出ているんだと思います。
プラットフォーマーになれ
(落合)「評価機構が外在的にあることはダメ。ルールを作る側が強いということを周知するべき。」
僕は落合さんのこの発言でスポーツ界も日本のベンチャー企業と近いものがあると感じました。
これはつまり、「オリンピックの出場を目指そう」とそれを最終目標にするのは実は危ないということです。
IT業界でもしばしばこれは見られますがシリコンバレーなどの海外勢は「ルール作り」がとても上手いです。Google、Apple、Amazon、Facabookなどは全て「オレたちのルール(プラットフォーム)」をきちんと作ってビジネスをしています。
太田さんはアジアフェンシング連合アスリート委員会委員長という地位についていますが、どの分野でもルールを作る側へ参入してそこでイニシアチブを得るような活動をするべきだと落合さんは指摘しています。
これは全くその通りで、日本が不得意としているところで全ての業界で通用する理論なのです。
スポーツ界がもっと盛り上がるにはどうすればよいか?
エンタメを意識しろ
(太田)「スポーツのエンタメ性=『ルールのわかりやすさ』✖️『顔が見える』」
これはおもしろい方程式です。これ確かにあります。太田さんはこのことからフェンシングは「ルールがわかりにく」「顔が隠れている」ので今のままではエンタメに適していないと考えているようです。
落合さんは「ってことは羽生結弦は最強ってことだね?!」と発言していましたが、確かにフィギアは細かいルールはわからなくて転ばない・回転数が多いジャンプがすごそうという感覚でわかりやすい上に、選手が喜んだり悔しがる表情が見えやすい競技となっています。
国技でもある相撲が人気なのもこの方程式から納得できますよね?
フェンシングももし、試合中にインカメラのような仕組みを入れてリアルタイムに顔の表情がわかったらおもしろいと思います。
これって僕も興味があるeスポーツでも同じだと思うんです。プレイしている選手の表情をみるのは確かに必要。「ルールがわかりやすくなる補助表示+選手の表情をわかりやすく表示」これは重要ファクターとして捉えるべきですね。
テクノロジーだってエンタメだ
(落合)「アルファ碁みたいに、ロボットアームと対戦などでテクノロジーとの融合はどうか?」
またおもしろいこと言いますね(笑)エンタメ要素としてこれもありですよね。碁や将棋といったテーブルスポーツではロボットのようなハードウェアの動きは重視されていませんでしたが、本格スポーツではここのテクノロジーも重視されます。
これって、単純なAIではできない高度かつ精細なテクノロジー調整が必要になるので結構死闘になると思いますよ(^o^)
落合さんと太田さんの結論
落合:金だけでなく人を出すスポンサー習慣をつける
金ではなく、提案してくれる人材が大事。サラリーマンの方、是非仕事と兼業でスポーツ協会活動をして見ましょう。例えばサラリーマンが休日に子供のサッカーを見るのであれば、協会に入るべき。それがかっこいいという風潮を作りたい。太田:人材の流動性
著名人に協会の名刺だけ持ってもらうだけでも注目を集められる。どんどん手と足を動かせる若者を採用できるような勇気が必要。あとは、、理事の人みんなチェンジ!(笑)
お二人とも、運営する側の人材についてを言及されています。これはもう明白な課題なんでしょう。とにかく老害は排除して若くて有能な人材が実権を握って運営できる環境を作る、と。今までの議論とは違い明確な答えが出たような気がします。もうこれに尽きますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?僕が学んだのは「スポーツ界でも様々なテクノロジーが活用できそうだ」ということと「やっぱり体育系問題は考えの柔らかい若者が仕切れば解決するでしょ」ってことでした。
今回話題にはなりませんでしたが、今後大きく飛躍するであろう分野の「eスポーツ」でもこれらの知識は活用できると思っています。いやー勉強になりました。あと余談ですが、太田さんってユニークな方ですね。ご覧になった方はみんなファンになったのではないでそうか(笑)
以上、今週のWEEKLY OCHIAIの感想でした。
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