
エンジニアもガジェットギークの皆様、注目!
iPhone11から搭載されたけど、発表時にほとんど触れられることがなく話題に上がらなかった「U1チップ」。
実はとんでもない可能性があるので、これを紹介します。
目次
Phone11に搭載されたU1チップとは
すごく簡単に概略だけ
これは一言で表現すると「超高精度の位置情報ができる可能性のあるチップ」となる。
わかりやすく言うと、U1チップ搭載のApple製デバイスの場所を正確に認識可能になるということ。
例えば、iPhone11の機器同士ではこのようなことが可能になっている。
U1チップが必須なのでiPhone11限定なので、正直全くインパクトがない機能なんだけど、ポテンシャルは大きいのです。

屋内位置情報はムズカシイ
U1チップの可能性を語る上で知っておいてもらいたいことがある。
それは、2019年現時点では「屋内位置情報」はかなり難しいということだ。
実は言うとGPSを受信できる場所では、かなり高精度となってきた。
まだ対応してるデバイスは少ないけど、日本の「はやぶさ」などでは誤差もcmレベルになってきている。
ではGPSを使えない屋内ではどうやっているかと言うと、Wi-FiやBluetooth LowEnergy(以下BLE)を利用している。
ものすごく簡単に説明すると、複数の端末からの電波強度から計算してその位置を算出している。(いわゆる三点即位)
残念ながら電波強度はとても荒く、どんなに補正しても誤差はm単位となり、実際は使い物にならないのだ。
U1チップをもうちょっと詳しく紹介
という前提知識を踏まえた上で紹介する。
U1チップの「U」は、「UltraWideBand(超広帯域無線/UWB)」が由来となってます。
UWBの特徴を挙げる。
- 屋内で誤差30cm以内という精度の可能性がある
- Wi-FiやBLEよりも「向き」と「距離」が正確
- 接続可能距離は290m(BLE最大は100m程度)
- 転送速度は最大8Mbps(BLEの4倍)
- 主に5GHz以上を用いるので2.4GHz干渉にも強い
圧倒的にWi-Fi・BLEを上回る性能を持っているのがわかる。
また、誤差30cm以内と言うのはハードの話しで、ソフトウェア技術なども含めると、位置座標に関して室内で誤差3cmという精度を達成できる可能性もあるそう。
さらにU1チップは指先に満たないほどの超小型サイズで搭載可能。つまり、Apple WatchやAirPodsなどにもイケるということ。

すぐにでも発表されそうなプロダクト
2019年中に発表されるのではないか?と言われていたのが「スマートトラッカー」だ。
これはTileのような製品で、失くしたくないモノに付けておけば、大体の位置を掴むことができるというもの。
Tileのような既成製品では、基本的にはBLEが利用されている。
近い将来、U1チップを利用したスマートトラッカー(Apple Tag?)を発表される可能性はかなり高いはず。
BLEでは実現できないレベルの精度になったら、使いどころはいくらでもありそう!
UWBは未来をどう変えるのか
もう少しUWBではどんなことができそうか、まとめておきます。
スマートホームがより進む
屋内GPSと聞いて、まっさきに僕ら個人に恩恵を受けるとすればスマートホームかな。
例えばこんなことが期待できる
- 屋内位置情報が超高精度で可能になる
- ARの精度がさらにアップ
- モバイル決済の簡略化・セキュリティ向上
- キーレスの簡略化・セキュリティ向上
つまり、スマホの位置を超正確に掴むことができるとこんなことができる。
- 玄関に近づくと自動にロック解除
- 家に入ると自動に玄関ロック
- 部屋に入ると自動で点灯・テレビON・ステレオONなど
アナログな人感センサやBLEの精度では難しかったことが低コストで簡単に実現できるのであればすぐにでも普及しそう。
もちろんここからIFTTTなどで様々なサービスとの連携が広がるのは言うまでもない。
UWBが普及するためのカギ
どうすれば普及が進むか。この答えは簡単だ。
UWBのチップが安価となってBLEとの費用対効果を上回れば必然と普及に進むはず。
ここまで性能に差があれば、いずれ置き換わるのは時間の問題。
なにより、親機としては全世界のユーザーに支持されているiPhoneで採用されたのはかなり大きい。
いずれはみんな親機は所持することになりますからね。
まとめ
どうですか?ワクワクしてきましたよね?
開発者目線で見ても、まだU1チップを活用するSDKはAppleからリリースされていないので(2019/11時点)ビジネス用途を考えると今のうちからアイデアを練っておいた方がいい。
iPhone11以降がメジャーになった数年後にUWBバブルは来るはず。楽しみです。
