
直近1週間でエンジニアである僕が気になったテクノロジーニュースを勘所を踏まえてご紹介していきます。
これからのトレンドになりそうな、厳選したニュースをピックしていますので是非チェックしてみてください。
今週は、9本となります。
目次
- 1 最新のテクノロジートレンドをお届け
- 1.1 AI顔認証ユニコーンのメグビーが香港でIPO申請。中国AI企業初、10億ドル調達計画
- 1.2 ドローンレースの世界大会が11月に東京で開催、ドローンの市民権獲得に1歩近づくか
- 1.3 LINEは気づいている!音声認識の実力差が「国力」を左右する理由
- 1.4 PayPay、不正利用時の被害額を「全額補償」 利用規約に明記
- 1.5 国内シェア1位はiPhoneで変わらず ドコモ「ケータイ社会白書2019年版」
- 1.6 日本の交通業界を一歩先へ「日本版MaaS」支援に名乗りをあげたマイクロソフト
- 1.7 スマホ専用ローン「LINE Pocket Money」本日開始、LINEが貸金と信用スコアで目指すもの
- 1.8 1日1本、月額980円から。JR駅内で自販機のサブスク始まります
- 1.9 普通のメガネ風のスマートグラスNorth Focals,Androidの通知に対応
- 2 今週のまとめと考察
最新のテクノロジートレンドをお届け
AI顔認証ユニコーンのメグビーが香港でIPO申請。中国AI企業初、10億ドル調達計画
2019年は前半だけで赤字額が52億元(約767億円)という状況で、メグビーがIPO申請。
時価総額5000億円という記事もありますが、確かに世界一の顔認証技術であればいくらでも稼ぐ手段はありそう。
10億ドル調達を計画しているとか中国(米国も)は規模が違うなぁ。。
ドローンレースの世界大会が11月に東京で開催、ドローンの市民権獲得に1歩近づくか
ドローンレースの世界大会が東京で!
これぜひネット中継でもよいのでカッコよく動画配信してほしい。バズるような絵じゃないと市民権は得れない。
ちなみに、日本での競技人口は2000人ほどなのでまだまだチャンスが大きいかも。
LINEは気づいている!音声認識の実力差が「国力」を左右する理由
データ量の問題は根深いよね。ただでさえ英語や中国語は人口多いのに、米国とかAlexaのようなスマートスピーカーもかなり普及している。
その点日本なんて専用語であり、スマートスピーカーの普及なんてまだまだ。これは結構ヤバイ気がする。
PayPay、不正利用時の被害額を「全額補償」 利用規約に明記
補償するのが当たり前と思っている人多いだろうけど、それを謳っているのとそうでないのでは大違い。
バックがソフトバンクなので安心感も他とはケタ違い。どんどんPayPayの勝ち筋が明確に見えてきた。
国内シェア1位はiPhoneで変わらず ドコモ「ケータイ社会白書2019年版」
日本でiPhoneのシェアが多い理由は、初めて買うスマホは足並み揃えてiPhone、と決めていることが大きいかと。
もちろん、それで親が買ってあげれる日本の経済力があってこそだけど。
逆に考えると、中高生が「iPhoneよりこっちがイケてる!」という端末が出ればそちらにガラリと動く可能性は高い。
日本の交通業界を一歩先へ「日本版MaaS」支援に名乗りをあげたマイクロソフト
プラットフォームで儲けるモデルに明確に方向転換しているMicrosoftが積極的にMaaSに絡むのはよくわかります。
ただ、正直MaaS社会の構築って、テクノロジーの問題より規制や既得権益による障害がほとんどなんだけどね。
スマホ専用ローン「LINE Pocket Money」本日開始、LINEが貸金と信用スコアで目指すもの
信用スコアを利用した最も簡単なビジネスモデルだね。こんなのは貸す側にしかメリットないやん。
そうじゃないんよ。信用スコアは社会全体で良い方向に進むように使われないと。
1日1本、月額980円から。JR駅内で自販機のサブスク始まります
これってサブスクにする意義はあまり感じられない。
どうせならペットボトルを使用しないマイボトルを採用して、さらに安価でかつエコにすれば意義はあった。
考察でも書くけど、サブスクにはある程度の抑えるべきツボがあると思っています。
これは正直、うまくいかないと思う。
普通のメガネ風のスマートグラスNorth Focals,Androidの通知に対応
お、着実に進化してますね。すばらしい。
AirPodsもApple Watchも賛否はあれど、何となくイケてるから受け入れられた。
ウェアラブルデバイスはやっぱり見た目がイケてるかどうかはとても重要。そういう意味でこれはすごく期待している。
今週のまとめと考察
ここ数年でサブスクリプションモデルという言葉が一気に定着しました。現状上手くいっている企業のほとんどがこのモデルに切り替えているという実績もあります。(ソニーもこれで盛り返してる)
しかし、それと同じく数多くのサブスクが失敗しています。今週に取り上げた「JR駅内で自販機」もおそらくそのうちの1つに入ると予想されます。
サブスク3つの条件
その理由として、僕の考える上手くいくサブスクモデルの条件を3つ挙げます。
- 限界費用ゼロ
- 商品はマスに刺さるコンテンツである
- 利用データからヒットコンテンツを作れる
まずは限界費用がゼロ(もしくは限りなく低い)というのはつまり、100人に売っても1万人に売っても製造費がそんなに変わらないという意味です。
例えば、サブスク王者であるNetflixやSpotifyではまさにこれで、何人にデータ配信しようが基本はコストが変わりません。(当然サーバー代はそうはいかないが)
そして大事なのは、取り扱う商品が多くの人に興味があることで、その利用データからさらに良い商品が作れることです。
Netflixはまさにこれをやっていて、誰もが観たい映画・ドラマ・アニメを用意し、どの地域のどんな年代の人がどのような動画を見るかを徹底的に分析して、オリジナルコンテンツを作っています。
「JR駅内で自販機」はどうでしょう?この手の定額制サービスは、2だけ当てはまるパターンが多いと僕はいつも考えます。
見てきた限り、基本的にはこの3つを満たしていない限り失敗していると思います。
ターゲット層を見極めるのが超大事
失敗している例として「紳士服の青木」がやっていた定額でスーツ着放題のサブスクがあります。
失敗の理由として、限界費用ゼロでないというのはありますが、致命的であったのがターゲット層の見誤りです。
青木のメイン顧客は40代です。そこで、サブスクにすれば20代・30代の層を増やせるのではないかという算段でした。ところが、いざサービスを開始してみるとほとんどは40代がサブスクに移行して、本来の売り上げがマイナスになるという事態となってしまいました。
もちろん赤字事業となり、すぐにサービスは破綻となりました。
オリジナル商品を持たないサービスもダメ
さらに失敗例を挙げると、日本酒をキュレーションしてお届けする「SAKELIKE」というサービスです。
日本酒好きは多いですし、さらに自らの商品ではないので在庫もないのである意味では限界費用問題はクリアしています。
好調にユーザーを伸ばしていましたが、ある時点から離脱率が大幅に上がってしまいました。
その理由は、毎月キュレーションされたお酒からユーザー側がどのようにキュレーションすればよいかのノウハウをわかってきたのです。
つまり、ただ選ぶだけであればすぐにサービスを利用する価値がなくなってしまうのです。
サブスクを制したものがビジネスを制す
サブスクをただの定額サービスだと考えている人は多いと思いますが、ビジネスとして成立させるにはかなり難易度が高いです。
しかし、一度その基盤を作ってしまえば、見通しの良いキャッシュが決まった定期で入る夢のような状況となります。
間違いなくこれからの勝者はサブスクモデルを上手く作れたところになるでしょう。
