
今回はビジネスモデル初心者向けに、今後絶対に主流になるビジネスの基本について取り扱いたいと思う。
突然ですが、「パッケージ販売」という言葉はご存知でしょうか?
ソフト開発などに携わっている人は当然おわかりでしょうが、1つの同じ製品を様々なユーザーに買ってもらう従来からあるビジネスモデルのことだ。
完成品を作って、それを売る。昔からやってきたこの手法は今ではもう時代遅れになってきている。それを今回はとーーてっもシンプルにまとめてみた。
ソフト開発以外でもサービス業などどんな業種でも必須のポイントなので是非チェックしてほしい。
目次
知らないともう手遅れ?主流になるITビジネスの基本
パッケージのメリット
まずは従来からあるパッケージであることのメリットをおさらいする。
パッケージであることの一番のメリットは「一度作ってしまえばあとは開発工数がかからない」ことだと思う。
例を挙げよう。
ソフトをパッケージ開発する時は、一度大きなコストをかけて作ってしまう。例えば3000万円をかけて何かソフトを作る。この時点では3000万円の赤字となる。
これを1本100万円で売る。すると30本売れれば赤字の改修ができる。そして、そこからの売り上げは全部利益となるのだ。
売れないと大赤字になるのでハイリスクではあるが、売れてしまえば大きな利益を生む可能性がある。
パッケージのデメリット
逆にパッケージのデメリットとはなんだろう?
経営的にはハイリスクがデメリットというのはあるが、ユーザー視点で見た場合の最大のデメリットは「カスタマイズ性が低い」ということがある。
パッケージを作る際には、一般的にその分野のより多くのユーザーに使ってもらえるような仕様とする必要がある。(多くの人にマッチしてないと売れないから)
そうすると、「この機能だけはこうであってほしいのになぁ」という要望に応えることができない。
経験者なら誰でも共感してもらえると思うが、パッケージ売りをする際に一番苦労するところはまさにココ。カスタマイズ性の低さは最大のデメリットと言っていい。
人はわがままになっている
なぜカスタマイズ性の低さがそれほど悪いのか?
近年はテクノロジーの進化によって、色んなことがより便利になってきている。昔であればこれしかなかったから仕方ないか、と考えていた節があるが、今だととことん便利なものがある。
マジで現代人はどんどんわがままになってきている。
みんながいつも使っているスマホアプリを思い出してほしい。少しでも「違うなー」「ここが使いずらい」と感じたらすぐに使わなくなるはずだ。(よく思い出してほしい)
人は基本的にはわがままなんです。そう、今の時代にカスタマイズ性が低いということはものすごく不利な商売になってしまうのだ。
アジャイルという概念
ここ数年の開発の場では「アジャイル」という言葉をよく聞くようになった。これをすごく簡単に説明すると「少しずつ作っていって、だんだんより良い完成品にしていこうよ」という開発だ。
スマホアプリがわかりやすいと思う。Ver1.0.0をリリース後、ほとんどのアプリが超頻繁にアップデートしてますよね?
不具合の改修であったり、ちょっとした改善、場合によってはユーザーからの要望に応えた機能追加などもある。これがまさにアジャイル開発だ。
現代のユーザーの趣向というのは多様化しまくっていて「何が本当に望まれているのか」が誰にも分らなくなっている。
なのでまずはミニマムでリリースしておいて、ユーザーからのフィードバックをもらいながらそこから作りこんでいく方が「本当に望まれている」アプリになるアジャイル開発が好まれるのは必然なんですね。
サブスクを前提に考える
アジャイル開発が良いのはわかった。でもそれっていつまでも開発工数が発生するしビジネス的には難しいのでは?と思うかもしれない。
ここでサブスクリプションモデル(以後サブスク)の登場だ。
アジャイル開発とサブスクは非常に相性がいい。ご存知の通りサブスクは長期間だんだん料金を支払ってもらうモデルだ。(AmazonプライムやNetflixの加入者は多いはず)
アジャイルは長期間かかる、なのでサブスクで長期的に料金を支払ってもらうのはとても理にかなっている。
さらに優れているのがサブスクであればアカウント情報として個人データが収集できる。これがなによりも正確なフィードバックなので、より的確な対応をとることができる。
なので、より良いサービス提供をしたいと考えるなら、サブスクでの提供をを前提とした方が吉だ。
SaaSにするのがベスト
最後に、届け方について。当時のパッケージ売りと言えばソフトであれば店舗で売られていたり、サービスであれば担当者によるセットアップでユーザーのもとに届けていた。
しかしアジャイルとなったらそうはいかない。そもそもデータフィードバックを受ける必要があるのでネットに繋がっていることはもう必須になる。
こうなるとスマホアプリのように専用ストアからアプリを配信する、もしくはWEB上にサイト構築をして、ブラウザから利用してもらうのが最も効率がいい。
これはいわゆる「SaaS」と呼ばれていて、ソフトをサービスとして提供する届け方になる。ブラウザさえあればどんなデバイスからでも、常に最新の状態で利用できることができるので、まさに今の時代にぴったりだ。
時代に合わせた売り方をする
今回のお話はソフトウェア業界ではもう基本中の基本なんですが、もうどの業界も「サブスク・アジャイル・SaaS」を意識する必要がある。
どの時代にもマッチしたビジネスモデルがあると思うが、インターネット時代のスタンダードはほぼほぼ決まってきた感がある。ただし、そもれあるテクノロジーの変化でまた大きく変化する可能性は当然ある。
5G、VR・AR、ブロックチェーンなど、今の常識をぶち壊す可能性を秘めているテクノロジーはいくらでもある。
テクノロジーの進化を線でとらえて、時代に合ったビジネスモデルを逐一アップデートしていくことがとても重要なのはそのためなんです。
